お客さまから必要とされるサプライヤーの条件
工作機械・空調機器・半導体 ― 好調3業種が主力
工程管理によるムダ取り・整流化に取り組む
株式会社 内田製作所
①内田社長が「アセンブリー生産への対応が一番の魅力」と語るATC(自動金型交換装置)付きのベンディングマシンHG-1003ATC/②VPSS 3i BENDにより外段取りで曲げ加工データを作成する
戦前に大田区で創業、80周年が間近
代表取締役の内田健一郎氏
㈱内田製作所は1939年、内田卯助氏が東京都大田区東糀谷で内田板金工業所として創業した。直後に第2次世界大戦が勃発、戦地から生還した内田氏は、戦後の焼け後から材料をかき集め、打出し板金加工で事業を再開。その後はアマダのベンディングマシン、ユニプレスなどを導入、事業を拡張していった。
1964年に㈱内田製作所として法人化。1968年に現在地の神奈川県内陸工業団地に厚木工場を開設し、1986年に大田区の本社機能も移転・集約した。
創業80周年が2年後に迫るなか、内田正勝会長は「当社は、創業以来、顧客満足度の高い精密板金製品づくりをモットーとしてきました。時代の要求にともない、難易度の高い板金加工・溶接加工などに特化すべく、常に新技術の導入と安定した製品品質づくりに努めてきました。さらに、表面処理、購入品の調達によるサブアッシーまでの一括生産体制も構築し、多様化するお客さまニーズに対応してきました。今後も、お客さまにとって必要とされる企業であり続けることが使命と考えています」と語っている。
3次元ソリッド板金CAD SheetWorksにより3次元モデルからバラシ・展開を行う
パンチ・レーザ複合マシンACIES-2515T+AS-2512NTK
工作機械・空調機器・半導体が主力
戦後は、コンピュータ製品大手のIBMとの取引を中心に事業を展開。その後は、1975年頃に現在の主力得意先の1社である業務用空調機器メーカーを開拓。バブル崩壊後は業績が低迷するなか、1997年頃に大手工作機械メーカーとの新規取引を開始した。
現在の得意先数は約40社。このうち定期的に取引しているのは20~30社で、中でも工作機械、業務用空調機器、半導体製造装置関連(純水加熱装置)の3つが主力となっている。特に工作機械と業務用空調機器の売上比率はそれぞれ35%ずつと高い。直近では主力の3業種はいずれも絶好調で、同社の受注も右肩上がりで増加している。
2014年に3代目社長に就任した内田健一郎社長は「この夏から急速に忙しくなってきて、少なくとも今年度中は目一杯の状況です。工作機械は、今の勢いがそのまま続き、来年もまちがいなく忙しくなると聞いています。業務用空調機器は建築業界と連動するため、2020年の東京五輪までは目一杯。半導体製造装置関連は、IoTの普及やクラウド化の流れで2020年以降も忙しくなると噂されています。今後の活況に期待する一方、お客さまに必要とされるためには生産体制の増強・見直しが課題です」と語っている。
工作機械カバーの溶接作業
塗装工程
会社情報
- 会社名
- 株式会社 内田製作所
- 取締役会長
- 内田 正勝
- 代表取締役
- 内田 健一郎
- 住所
- 神奈川県厚木市上依知3021
- 電話
- 046-285-1121
- 設立
- 1964年
- 従業員数
- 40名
- 事業内容
- 精密板金の製造・組立(工作機械、空調機器、映像関連機器、半導体・FPD製造関連機器、測定・分析機器など)
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