新工場が竣工 ― 最新設備を導入して競争力を強化
設計・製作・塗装・組配までの一貫生産体制を構築
株式会社 三進製作所
①新工場に設置されたファイバーレーザマシンLC-2515C1AJ／②LC-2515C1AJに後付けされた10段の2連棚＋TK（AS-3015NTK+ULS-3015NTK）
塗装業から板金加工に参入
近藤伸泰社長
1962年、塗装を生業とする三進化学工業㈱が名古屋市瑞穂区内で設立された。「三進」の社名は、設立当初3名だったため、「3人で進む」という意味が込められた。
分電盤などの塗装を請け負う中で、1970年に板金加工を専門とする㈱三進製作所が設立され、品質向上とスピードアップ、コストダウンに対応できるようになった。その4年後に名古屋市天白区に本社工場を移転、板金加工の効率化に対応してユニパンチプレス、NCパンチプレスなどを導入した。
2009年には遊具・スポーツ器具の製造を開始。それとともに不動産業の資格を取得し、事業を拡大していった。さらに、太陽光発電の固定価格買取制度（余剰電力買取制度）が2009年にスタートし、2011年の東日本大震災と原発事故を契機に再生エネルギーである太陽光発電事業がクローズアップされるようになった。そこで同社は京セラとタイアップし、京セラの太陽光発電パネルと同社が製作する太陽光パネルフレームを組み合わせ、大規模な太陽光発電所（ソーラーファーム）を建設し、発電事業を考える企業にソーラーファームごと売却するビジネスをスタートするなど、事業を多角化していった。
今年6月に稼働を開始した㈱三進製作所の新工場
新工場の曲げ工程ではHD-1303LNTが2台稼働する
2030年には年商100億円を目指す
2012年、三進化学工業の創立50周年に合わせ、東海市名和町に三進製作所・名和工場を新設し、ソーラーファームで使用する太陽光パネルのフレーム（4m）の製造を開始。翌年には水洗式塗装ブースを採用した塗装ラインシステムを導入した。
2015年には効率化をさらに推進するため、塗装工場を一新。大型固定釜を採用したコンベヤー式の塗装ライン（全長215m）、自社開発のスイッチレールを導入。前処理から後工程までの時間を大幅に短縮し、作業効率に優れた最適化ラインに変更した。また、独自の防塵対策を施した塗装クリーンルームや、電気を除去する除電システムを導入し、粉体・溶剤・静電塗装にフレキシブルに対応できるようになった。
板金加工部門は、平成26年度補正予算「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」（省エネ補助金）を活用し、3億円強の大型投資を実施した。2015年に本社工場と名和工場にファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJを1台ずつ導入し、名和工場にはファイバーレーザ溶接システムFLW-4000やネットワーク対応型ベンディングマシンHD-1303LNTを導入。外国人技能実習生や経験が浅い社員が活躍できるデジタル板金工場を構築した。
現在、三進グループとしては、母体の三進化学工業、三進製作所のほかに、遊具やスポーツ器具の製造・据付・修理を担当する㈱サンテクニカル、フェライト・セラミックス・電波吸収体の製造販売を行う㈱セフコン、不動産賃貸業の㈱三進、不動産売買や賃貸の仲介・売買などを行うルビネット㈱、賃貸マンションの賃貸管理を行う㈱ケイアンドライフなど7社があり、東京・大阪にも営業所を構えている。グループ従業員数は外国人技能実習生を含めて62名。グループ年商は2025年までに50億円、2030年には100億円企業を目指す。
ファイバーレーザ溶接システムFLW-4000にはポジショナーと昇降テーブルの2種類が用意され、大型の筐体を溶接できる
電装組立を行う組立スペース
会社情報
- 会社名
- 株式会社 三進製作所
- 代表取締役
- 近藤 伸泰
- 所在地
- 愛知県名古屋市天白区道明町69
- 電話
- 052-831-1843
- 設立
- 1970年
- 従業員数
- 62名（グループ含む）
- 主要事業
- 各種制御盤、分電盤、キュービクルの設計・製作・組立配線／リン酸鉄皮膜処理／焼付塗装／構造用各種建築金物／建築用既製金物・器具／太陽光架台の製作／遊具・スポーツ器具製造（サンテクニカル）／土木一式／建築一式／電気一式／暗室（セフコン）／不動産管理事業
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