板金論壇

新たな板金需要をつかむマーケティングの重要性

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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好不況が交錯する板金業界

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の世界的流行により、世界中で感染者・死者の数が爆発的に増えています。それとともに世界経済にも未曾有の打撃を与えています。海外では今もロックダウンにちかい外出や移動の制限が行われている国や地域があり、人々の移動に関わる航空・鉄道・宿泊などの業界に深刻なダメージを与えています。国・地域によってはホテルの客室稼働率が5%以下というところもあり、多くの事業者が事業存続の危機をむかえています。コロナ以後 ― 「アフターコロナ」の時代に社会経済や産業がどのように変化しているのか、予測がつきません。

板金業界の経営者と接する中で、いろいろな業界情報が入ってきますが、その情報を分析して経営判断に生かすマーケティングの重要性を改めて感じています。

好調だった半導体製造装置業界に黄色信号点滅

好況業種といわれていた半導体製造装置業界でも異変が起きています。

世界半導体市場統計(WSTS)が6月に公表した「2020年春季の世界半導体市場予測」によると、2020年はメモリー市況の回復によって前年比+3.3%、2021年は同+6.2%と予測されています。新型コロナによって先行きが不透明な状況ですが、2年連続のプラス成長を見込んでいます。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)が7月に発表した「半導体・FPD製造装置 需要予測 2020~2022年度」によると、2020年度の日本製半導体製造装置の販売高は前年度比+7.0%の2兆2,181億円、2021年度はメモリー、ロジック・ファウンドリともに堅調な投資が予想されるため同+10.0%の2兆4,400億円、2022年度も同+4.6%の2兆5,522億円と予測されています。

日本で生産される半導体製造装置は中国・台湾・米国・欧州・韓国への輸出が大半を占めます。最大の輸出先である中国は、武漢の緊急事態を解除して以後は順調に回復しているようです。台湾は、政府の対策が功を奏して新型コロナの影響が比較的小さいまま推移しています。

しかし、各国は入出国の制限やテレワークの採用により新型コロナの感染拡大を抑制しようとしており、こうした取り組みが主要な製造装置や原材料の到着の遅れなどを引き起こし、欧州・米国・日本のサプライチェーンに影響を与える可能性が指摘されています。

つづきは本誌2020年10月号でご購読下さい。

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