「ものづくり補助金」の活用で企業体質改善
ワンストップ対応で「先発完投型のピッチャー」を目指す
創業102年の老舗企業 ― 「新たな100年」へ向けて
株式会社 小谷製作所
創業102年の老舗企業
㈱小谷製作所は、1916年に農機具の製造会社として創業。脱穀機、もみすり機などの製造から始まった100年企業だ。1961年に呉羽自動車工業㈱(現・三菱ふそうバス製造㈱)との取引を開始、プレスマシンを利用した板金加工によってバスの艤装部品の製造を始めた。これがきっかけとなって板金加工に本格的に参入。以来、プレス・板金加工が同社の柱となっていった。
1981年、地元の大手工作機械メーカー向け板金カバーの製作の仕事を始めるようになった。2012年10月には名古屋中小企業投資育成㈱からの出資を受け、資本金は6,000万円、2018年の年商は32億円と、国内板金業界トップ100に入る有力企業に成長した。
従業員数は47名のベトナム人技能実習生を除くと、134名(2019年1月現在)。本社工場のほかに、部品加工工場、溶接工場、塗装工場、組立工場の4カ所の工場を持つ。得意先は60社以上で、主力得意先は20社。業種は、工作機械、半導体製造装置、バス・トラックなどの輸送機械、鉄道関連、公共施設の表示機などの建築関連などとなっている。
工作機械・半導体製造装置で売上全体の70%
40年近く前から県内にある大手工作機械メーカー向けのカバーを受注してきたが、工作機械業界の再編で、生産機種の統廃合が行われた。その余波を受けて、現在は専用機向けのカバーを受注するのみとなった。その反面、高速道路網が整備され、アクセスが改善された中部・関東圏からの仕事が活発化している。
ここ数年は工作機械や半導体製造装置関連の仕事が急増、売上全体の70%以上を占める時期もあった。同社が5´×10´の大板加工に対応する充実した設備力を備えていること、溶剤・粉体塗装に対応する塗装工場や半導体製造装置の組立に対応できるクリーンルーム工場を保有していることも強みになった。中部・関東圏の大手工作機械メーカーから5軸制御マシニングセンタ用の大型スプラッシュガードや、大手半導体製造装置メーカーからの装置部品、ボックス・ケースの受注量が増えていった。とくに装置架台などは、溶接組立した後から5面加工機で溶接歪みを矯正する仕上げ加工ができることから、大型の装置架台の受注も増えた。
半導体製造装置関連の仕事は、昨年9月以降から米中貿易摩擦やスマートフォン需要の減速の影響で大きく落ち込んでいるが、工作機械業界は活況が続き、繁忙な状態が続いている。日本工作機械工業会によると、工作機械業界の受注金額は、2018年に史上最高の1兆8,000億円超えとなり、2019年は2ケタ減となるものの史上3番目となる1兆6,000億円程度が見込まれている。同社もすでに3カ月先までの受注が確定しており、それ以降も高原状態が継続すると考えられている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 小谷製作所
- 代表取締役
- 小谷 哲二
- 住所
- 富山県射水市布目沢250-4(大門企業団地内)
- 電話
- 0766-53-1026
- 設立
- 1944年
- 従業員数
- 134名(外国人技能実習生は含まず)
- 主要事業
- 鉄・ステンレス・アルミ材の板金加工、薄板製缶、機械加工、粉体塗装、組立加工
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