特集

コロナ下でも安定成長する食品機械と板金加工

異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応

コラボレーションエンジニアリングで「デジタル領域ではもっと“密”に」

有限会社 深沢製作所

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画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応左:製パン・製菓機械のホッパー/右:2019年に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(6kW・自動棚仕様)

X線検査装置・金属検出機の主力サプライヤー

画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応代表取締役社長の石井英郎氏

㈲深沢製作所は1959年に創業し、昨年創業60周年をむかえた。創業当初は大手計測機器メーカー向けにアルミ製の計測機器筐体を製作し、現在は食品加工・製薬プロセス向け異物検査装置(X線検査装置・金属検出機)の板金加工部品を主に手がけている。そのほかにも、製パン・製菓機械メーカー向けにシュートやホッパーなどの板金加工部品を製造しており、これら食品加工に関わる機械・装置の仕事が大半を占めている。

創業者の娘婿で2代目経営者の石井英郎社長は「先代の頃は計測機器の仕事がメインで、アルミ筐体の溶接に特化していました。計測器の筐体は、ノイズを遮蔽するシールド対策の必要からアルミが多く用いられます。私の代になってからは、計測機器から異物検査装置へと徐々にシフトしていきました」と振り返る。

今では異物検査装置関連の売上が全体の60%を占め、得意先メーカーからは、新規参入市場向け特注品の短納期対応に貢献したことで2016年下期の「ベストパートナー賞」、納期遵守率の高さから2017年上期の「納期パートナー賞」などで表彰を受けた。2018年には神奈川県から、独自の工夫で業務改善・業績アップを成功させたとして「神奈川がんばる企業」に認定された。要求精度・要求品質が高い食品加工業界向け異物検査装置の部品加工に対応し、顧客満足度を改善してきたことが受賞につながった。

画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応左:VPSS 3i Production Designerによる3次元データからのバラシ・展開作業/右:ブランク工程。パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT(左)とファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(右)

コロナ禍が影響 ― 下期以降の回復に期待

石井社長は最近の受注状況について「2020年4月期の売上高は前期比8%増と好調でした。しかし中身を見ると、1月くらいに失速し、2月以降は受注が減っています。コロナ禍によりお客さまの営業活動が阻害された影響が大きく、今期に入ってからも減少傾向は変わりません。一般的に2月・8月は低調といわれますが、この8月は例年に輪をかけて低調です」。

「ただ、コロナ禍による中食・内食志向で加工食品へのニーズは高まっており、加工食品生産ラインの自動化投資や、異物検出など品質保証のニーズは底堅いものがあります。また、コロナ禍でグローバルサプライチェーンが寸断されたために、海外生産分が一部、国内に回帰しています。お客さまは、新型コロナウイルスが今年度上期中に収束することを前提に、通期では増収増益の業績予想を発表しており、下期以降の回復に期待しています」と語っている。

  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応ファイバーレーザ溶接システムFLW-4000。高い外観品質が求められるステンレス製品の溶接で威力を発揮する
  • 画像:異物検査装置・食品機械の多品種少量生産に対応クラウド型生産管理システムを導入し、作業者にタブレット端末を配布。検査チェックが入った図面を撮影することでトレーサビリティーを確保する

会社情報

会社名
有限会社 深沢製作所
代表取締役社長
石井 英郎
所在地
神奈川県海老名市本郷348-16
電話
046-238-8611
設立
1959年
従業員数
36名
事業内容
食品機械・異物検査装置の精密板金部品の製造

つづきは本誌2020年10月号でご購読下さい。

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