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自販機部品加工から新規分野を開拓

LC-2515C1AJの省段取り・省エネを評価

宏和(こうわ)工業 株式会社

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画像:自販機部品加工から新規分野を開拓2014年4月に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ+ASR-3015NTK

自販機部品加工を中心に発展

宏和(こうわ)工業㈱は1978年に三重県四日市市内で設立、富士電機三重工場の自動販売機(以下、自販機)部品のプレス・板金加工を中心にスタートした。自販機の受注増大にともない事業を拡大するとともに、1991年から工作機械の主軸冷却装置である液温調整機(リキッドチューナー)を開発し、自社ブランドまたはOEM製品として製造・販売。リキッドチューナーとは工作機械に使われる作動油などの温度コントロールを行うもので、油温のコントロールができないと加工精度や加工速度が低下するなどの影響が出る。こうした不都合を防ぎ、加工精度を安定させるとともに機械寿命を延ばすなど、製造現場ではなくてはならない工作用機器。同社のリキッドチューナーは、現在では中部・関西地区の大手工作機械メーカーに採用されている。

創業以来、板金事業部で一貫して取り組んでいる自販機部品の加工は、ドアや機構部品の溶接・塗装・サブアッシーまでを一貫して行い、得意先にJIT納入する。2009年12月には㈱愛工社より印刷・成形事業・ブロー成形事業の事業譲渡を受け、この分野においても得意先ニーズに対応できる万全な体制を構築した。

また、2008年には中国・上海に日宏精密机械(上海)有限公司を設立し、リキッドチューナーの現地生産を開始。中国へ進出した日系工作機械メーカーへ製品供給するとともに、中国で生産した製品を日本へ逆輸入している。現在では自販機用の機構部品組立、工作機械向け機器などのOEM生産と多様なニーズへの対応を図る。

画像:自販機部品加工から新規分野を開拓伊藤潔常務執行役員(左)と、寺田青史部長(右)

自販機部品加工の取り組み

プレス加工から取り組んできた自販機部品の加工だったが、当時から得意先の富士電機三重工場には、1972年にアマダが開発したNCタレットパンチプレスLYLAの1号機が導入され、プレス加工と板金加工を併用していた。自販機生産はプレス加工による量産から板金加工による中種中量生産に変わり、板金化が本格的に始まる時期だった。そこで同社も1982年にパンチングマシンPEGA-344、1986年にPEGA-357Ⅱ+LUL-48、1989年にPEGA-357Ⅱ+LUL-48を同時に2台、ブランキングシャーBLSをシステムラインで導入するなど、板金化を加速させていった。

板金・特機事業部を担当する伊藤潔常務執行役員は「私は富士電機三重工場から当社へ移籍して、板金部門の生産技術や設備を担当してきました。私が富士電機へ入社した時には、すでにLYLAが稼働しており、板金加工技術は富士電機社内でもコア技術に育っていました」と当時を振り返る。

画像:自販機部品加工から新規分野を開拓C1AJで加工した製品

会社概要

会社名
宏和(こうわ)工業 株式会社
代表取締役
工藤 和彦
住所
三重県四日市市北小松町西山1710
電話
059-328-1321
設立
1978年
従業員
130名
事業内容
液温調整機(リキッドチューナー)の開発製造、自動販売機、自動サービス機の板金、プレス加工品製造
URL
http://www.kouwakougyo.co.jp/

つづきは本誌2015年8月号でご購読下さい。

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