特集

自動倉庫と連動した自動化ライン

設計から電装組込まで対応する総合板金企業

自動倉庫MARSの導入で整流化を実現

株式会社 エヅリコ・エンジニアリング

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画像:設計から電装組込まで対応する総合板金企業2019年に導入したパンチ・レーザ複合マシンEML Z-2512AJ(左)と自動倉庫MARS(右)。MARSはモノの整流化と4S・5Sに貢献している

設計から電装組込までトータルに対応する

画像:設計から電装組込まで対応する総合板金企業菊池公太郎取締役工場長

㈱エヅリコ・エンジニアリングは、設計から加工、電装組立までワンストップで行う総合板金企業。工作機械向けカバー、発電所向け制御盤のほか、最近は食品加工向けの包装機械、半導体製造装置関連の仕事も手がけている。

工作機械カバーと制御盤の製作は長年の実績があり、設計から組立までの一貫生産体制を確立して、迅速・低コストできめ細かな対応を実現している。

塗装前処理として「パーカー処理」(防錆用表面処理)装置を保有しており、“塗装”も同社の強みのひとつとなっている。2022年度には事業再構築補助金に採択され、粉体塗装ラインを主体とする新しい塗装工場を建設する計画で、塗装能力が拡大する。

製品技術課の髙橋拓也課長を中心とする3次元CADによる板金設計力にも定評がある。得意先から提供された外形図や製品仕様の要件をもとに、3次元CADで板金モデルを作成、曲げ加工可否をはじめとした製造性を検証し、設計提案(VA/VE提案)や電装機器配置図の提案も行っている。

  • 画像:設計から電装組込まで対応する総合板金企業自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC(手前)。多品目一括金型段取りソフトも活用している
  • 画像:設計から電装組込まで対応する総合板金企業ファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISによる溶接作業

工作機械カバー、電力系制御盤などに対応

同社は1985年、小型工作機械メーカーの100%子会社として江釣子(えづりこ)村に設立され、小型旋盤の組立事業を行っていた。親会社はカム式小型旋盤のトップメーカーで、国内外で2万台以上の販売実績を残したが経営不振に陥った。同社は1991年に親会社から分離・独立。菊池公二郎社長はそれまでの経験を生かし、積極的な営業活動を展開した。

同社は1989年からは板金事業を、1994年からは塗装事業をスタート。1996年からは組立事業を拡大してワンストップで行う体制を構築した。

その後は、以前から手がけてきた工作機械カバーを生産しながら、北上市に工場進出した大手工作機械メーカーなど数社とも取引も開始。また、いわて産業振興センターの支援で新規開拓した電力系制御盤(発電所向け)の仕事も、数社から受注するようになっていった。

最近は関東圏のメーカーから、包装機械のステンレスカバーや半導体製造装置のカバーも受注するようになり、市場の多角化を進めている。制御盤関係は設計から電装組込まで領域を広げ、順調に伸展。今では工作機械カバーや電力系の制御盤、コントローラーなども一式で受注する。

一時は売上構成の70~80%が工作機械向けだったが、現在はほかの業種の売上が伸びることで50%を下まわった。電力系は20%強、食品機械向け包装機械と半導体製造装置関連が合わせて20%超えになっている。

画像:設計から電装組込まで対応する総合板金企業左:塗装工程。粉体塗装ラインを主体とする新しい塗装工場を建設し、塗装能力を拡大する計画/右:制御盤などの電装組込にも対応している

会社情報

会社名
株式会社 エヅリコ・エンジニアリング
代表取締役
菊池 公二郎
所在地
岩手県北上市滑田20地割111-1
電話
0197-77-2666
設立
1985年
従業員数
54名
主要事業
工作機械・電力機器などの板金・塗装および組立品の製造
URL
https://www.e-eg.co.jp/

つづきは本誌2023年3月号でご購読下さい。

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