ファイバーレーザ溶接ロボットへの期待と効果
ファイバーレーザ溶接への工法転換を積極提案
ウイズコロナ・アフターコロナを考えた設備導入
エヌアイエ 株式会社
「板金事業部」と「エコ事業部」を展開
エヌアイエ㈱は先代社長の仁尾太一氏が1990年に創業し、「板金事業部」と「エコ事業部」を展開している。
「エコ事業部」は2000年、事業の柱をもう1本つくることを目的に立ち上げた。2001年に三重県知事より蛍光管産業廃棄物中間処理業および収集運搬業の許可を取得。蛍光管リサイクル事業を展開し、回収した廃蛍光灯をガラス・金属・水銀にそれぞれ分別し、リサイクル業者に売却した。2005年には一般廃棄物処理業の許可も取得した。しかし、蛍光灯業界は生産量の減少や水銀の使用禁止、LED照明の台頭により市場が激変、エコ事業のビジネスは限界をむかえた。
「板金事業部」は7,200㎡の敷地を生かして大物板金加工を行っている。設立以来「お客様から信頼されるものづくり」をスローガンとし、板金・筐体設計から塗装組立までを一貫して行うビジネスモデルを確立。高品質の製品を安定的に、かつタイムリーに提供する体制を構築した。
仁尾明良社長は「製造側からの柔軟な視点と独自の製造技術により、お客さまの課題と難問を解決することが、本当の意味での『ものづくり』と信じてきました。『当社に発注していただけると難問が解決する』と言っていただけるよう日々努力しています」と語っている。
差別化戦略で意欲的な設備投資を継続
同社の主要製品は、大型の防音カバーや空調機器関連の盤筺体、装置関連など。得意先は数十社で、そのうち数社で売上全体の60~70%を占める。
差別化戦略を貫き、設備投資を意欲的に推進してきた。2005年には大型製品向けパネルの曲げ加工に対応するパネルベンダーTBZ-2523Hを、2008年にはベンディングマシンHDS-8025NT+Bi-Jを、2009年にはパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1を導入した。2014年には特殊表面処理塗装ラインを設置し、組立・塗装までの一貫生産体制を構築した。
2018年にはファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ +ASR-2512NTKとベンディングロボットシステムHG-1303Rmを導入。2022年は事業再構築補助金の第2回公募に採択され、ファイバーレーザ溶接システムFLW-6000ENSISとFLW用CAM VPSS 3i WELDを導入した。
仁尾社長は設備投資の考え方について「加工設備は、他社にはないものを先行して導入し、差別化をはかるとともに、“広告塔”としての役割も期待しています」。
「2005年に導入したTBZでそれを実感しました。今でも工場見学のお客さまの多くがTBZの前で立ち止まります。板金加工のことをご存じのお客さまでもパネルベンダーが実際に稼働する現場を見たことがある方は多くないので、『うちの製品をこの機械で加工したらどうなるか』と尋ねられます。HG-RmやFLW-ENSISも注目されますが、リアクションが一番大きいのはTBZ。そういう視点で、設備導入に際してはお客さまに与えるインパクトも重視しています」と語っている。
会社情報
- 会社名
- エヌアイエ 株式会社
- 代表取締役
- 仁尾 明良
- 所在地
- 三重県伊賀市大野木字喜撰戸2178-1
- 電話
- 0595-20-1624
- 設立
- 1990年
- 従業員数
- 26名
- 主要事業
- 板金筐体設計、各種金属加工、板金加工、製缶加工、特殊表面処理加工、蛍光管リサイクル
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