ファイバーレーザ溶接ロボット活用事例
電力系制御盤などを設計から塗装まで一貫生産
洋上風力発電などの再エネ分野に商機―ファイバーレーザ溶接の活躍に期待
株式会社 高瀬電設
設計から塗装までの一貫生産体制を確立 ― 電力系制御盤が中心
鳥海山を仰ぎ、皆瀬川の清流が流れる自然豊かな景勝の地に立地する㈱高瀬電設は、電力会社向け制御盤の筐体をはじめとした各種板金部品、半導体製造装置向け板金部品、工作機械カバー、精密板金製品など幅広い分野の設計・製造、金属塗装に対応する。
2004年に塗装工場を湯沢市に開設し、2011年に本社・板金工場を塗装工場の隣に新築移転して一貫生産体制を確立した。2007年にはISO9001を取得して得意先の品質ニーズに対応し、2016年にはISO14001を取得して環境に配慮したものづくり体制を整えた。
2017年には塗装工場を増築・整備し、秋田県内で最大級の塗装設備を導入。さまざまなユーザーニーズに対応できる技術力を備え、北東北地域でトップクラスの最新加工設備を持った板金工場となっている。
親会社から株式譲渡を受け独立
1989年の設立当初は、東京のスイッチング電源メーカーの100%子会社だった。1992年、バブル崩壊の影響もあり業績が悪化する中で、上野定之社長の義父にあたる髙橋秀治氏が従業員30名の雇用を維持するため親会社と交渉し、株式譲渡を受け、事業を引き継いだ。
営業経験があった髙橋氏は、スイッチング電源のみならず、各電力会社向け制御盤関連の仕事を開拓。さらに、塗装設備を備えた一貫工場として、半導体製造装置部品や工作機械カバーなど、幅広い分野の板金加工を手がけるようになり、事業を発展させていった。
東京生まれの上野社長は大学で建築を学び、建設会社に入社。施工管理技士1級の資格も取得した。夫人の上野悦子取締役総務部長の父・髙橋秀治氏が経営する同社のことは「知っている程度」(上野社長)だったという。
上野社長は当時を振り返り、次のように語っている。
「2003年に義父から事業を引き継いでほしいと相談を受けました。私は当時45歳。青天の霹靂で驚きましたが、義父の思いを知り、妻と相談して入社を決断しました」。
「金属加工は未知の世界でしたが、建設現場の施工管理をしていた経験から仕事の流れや労務管理のことは多少はわかるので、少しずつ仕事を覚えていきました。社長に就任したのは2012年のことでした」。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 高瀬電設
- 代表取締役
- 上野 定之
- 所在地
- 秋田県湯沢市岩崎字壇ノ上8-8
- 電話
- 0183-79-5515
- 設立
- 1989年
- 従業員数
- 96名(役員を含む)
- 主要事業
- 電力向け制御盤板金製品および、その他精密板金製品の設計・製造・金属塗装
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