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「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力

「金属製品の総合デパート」を目指す

株式会社 ワールド山内

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画像:「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力ファイバーレーザ溶接システムFLW-ENSISは防衛部品の溶接などにも対応することを検討している

2022年に竣工した航空機部品専用工場

画像:「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力山内雄矢社長

㈱ワールド山内は2023年9月、航空宇宙・防衛産業向け製品・サービスの安全性を確保し信頼性を向上させるための品質マネジメントシステム「JIS Q 9100」の認証を取得した。

経済産業省の2020年度「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」(サプライチェーン補助金)に、同社が道内企業2社と連携した「北海道地域での航空機産業サプライチェーンの形成」が採択され、新工場建設や最新の加工設備の導入を計画した。

2023年9月に竣工した第5工場は温度・湿度を管理して航空機部品を製造できる体制を整えており、そこにGEグループのコンセプト・レーザー製の金属3Dプリンター「M2シリーズ」、ヤマザキマザックの複合加工機2台、同時5軸制御立形マシニングセンタ3台、仕上げ加工した後の品質を確認する大型の3次元測定器を導入。加えて、アマダのファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISを導入し、別工場にあったFLW-6000ENSIS、ハンディファイバーレーザ溶接機FLW-600MT×2台を移設した。

新工場は24時間稼働に対応、IoT技術を活用して工場をネットワーク化し、生産活動の可視化と製造ビッグデータの収集・分析により生産性向上と品質向上をはかり、工場運営全体を最適化したスマートファクトリー化を実現した。

また、同社は以前から業務の標準化に取り組み、JIS Q 9100に必要な作業標準(営業、生産管理、品質、生産技術など)をまとめたデジタルマニュアルを作成、機械操作教育を含めた社員研修に取り組み、8月にはJIS Q 9100の認証機関であるBSK(防衛基盤整備協会)の審査に臨み、2023年9月29日付で認証を取得した。

山内雄矢社長は航空機産業に参入した理由について「航空機ビジネスへの参入は長年の夢。コロナ禍で停滞しましたが、航空機需要はこれから確実に拡大します。20年後、30年後には、滑走路がいらない乗用型ドローン“空飛ぶタクシー”が当たり前の世界になるでしょう。将来、ワールド山内製の乗用型ドローンを世に出す可能性まで含めてマーケティングしていきたい」と語っている。

  • 画像:「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力2023年に竣工した第5工場
  • 画像:「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力事務所では生産状況やマシンの稼働状況をリアルタイムに確認できる

拡大する防衛産業のニーズに対応する

「地政学的なリスクを考えると、これから防衛力の強化が進みます。2022年12月の国家安全保障会議決定および閣議決定で、2027年度までに、日本への侵攻が生起する場合は、日本が主たる責任をもって対処し、同盟国などの支援を受けつつ、これを阻止・排除できるよう防衛力を強化する『防衛力整備計画』が策定されました。防衛予算が大幅に増額するとともに、防衛産業の強靭化に取り組むことが決定するなど、今後は防衛産業が拡大します。この市場に参入するためにはJIS Q 9100の認証取得が最低限必要となります」。

「当社がキックオフから10カ月という短期間で認証を取得できたのは事前に工場建設や設備導入、作業者の訓練などの諸準備があったからです。航空業界への参入はいかに『死の谷』を超えるかがカギだといわれてきました。それは工場建設、設備導入、認証の取得など多額の投資が必要なうえ、売上が上がるまでに何年もかかるので、その期間の運転資金まで調達する必要があるためです。また、JIS Q 9100やNadcap(航空宇宙産業界の国際的な工程認証プログラム)など必要に応じて複数の認証の取得が必要となりますが、認証取得=受注とはならないので、維持管理費用だけが嵩むケースも多い。現業との兼ね合いで関係社員への研修時間を捻出できない場合もあります。航空機や防衛産業は生産体制、品質保証体制が整備できれば安定受注に結びつく可能性が高いですが、その反対もあります。受注する部品によってはさらなる設備投資が必要になります」。

「さまざまなメリット、デメリットがありますが、私はコロナの収束で急速な需要回復・円安によるサプライチェーンの国内回帰により、今の時期はチャンスと捉えています」(山内社長)。

画像:「JIS Q 9100」認証の取得で航空機・防衛部品の受注に注力左:4台のファイバーレーザ溶接機が並ぶエリア/右:機械加工設備が並ぶエリア

会社情報

会社名
株式会社 ワールド山内
代表取締役社長
山内 雄矢
所在地
北海道北広島市大曲工業団地4-3-33
電話
011-377-5766
設立
1983年(1955年創業)
従業員数
130名
主要事業
ステンレス製品の高度技術加工、非鉄金属加工、金属加工、レーザ加工、機械加工、溶接・組立、表面処理、塗装
URL
https://www.world-yamauchi.co.jp/

つづきは本誌2024年1月号でご購読下さい。

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