特集

好業績を背景にIoT対応を進める台湾板金業界

コンソールとサーバーラックの専門家集団

ディフェンス向けが60% ― 人手不足に自動化で対応

銘翔興業 股份有限公司(MAGYCO CORPORATION)

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画像:コンソールとサーバーラックの専門家集団左:同社が製造するコンソール/右:同社が製造する航空機用ギャレー(厨房設備)

コンソール・サーバーラック・カートが主力製品

画像:コンソールとサーバーラックの専門家集団許忠祥総経理(左)と子息の許峰旗さん(右)

銘翔興業股份有限公司(MAGYCO CORPORATION)は、許忠祥総経理が1979年に台北市内で創業した。許総経理は前職で日系の金属加工企業に勤め、26歳頃に独立・起業。「前職の勤務先の社長はとても厳しい方でしたが、そこで学んだことで技術を身につけることができました。それが自信につながり、必ず成功すると信じて起業を決心しました」(許総経理)という。

創業以来、コンソールやサーバーラック、コンピュータキャビネット、電子機器筐体などの精密板金製品を中心に、OEM生産を手がけてきた。2002年に現在地の林口工業特区(桃園縣)に移転してきてからは、台湾・国防部からディフェンス(国防)分野の陸海空のコントロールセンター向けコンソールなどを受注するようになっていった。現在の工場がある林口工業特区にはアマダ台湾の本社があり、アマダのテクニカルセンターからのサポートも同社の発展を後押しすることになった。

品質マネジメントシステムの国際標準規格ISO9001、CEマーク、米国の製品安全規格であるUL規格、世界最大の認証企業SGSの振動・荷重測定試験などの認証も取得している。

画像:コンソールとサーバーラックの専門家集団左:EMK-3510MⅡのコンソールはAMNC3i/右:HG-1303は長尺曲げに対応して追従装置が装備されている

毎年5~10%のペースで成長

主要製品は、道路交通・航空・ディフェンス・防災・通信などのコントロールセンター向けコンソール、テレビ・ラジオなどの放送関係のコントロール室向けコンソール、ディフェンス・データセンター・サーバールーム向けサーバーラック、航空機・鉄道・病院向けの各種カートなどとなっている。

「台湾国内のほとんどの政府機関や公共施設に当社のコンソールやサーバーラックが納入されています。エバー航空やチャイナエアラインといった航空会社の機内食用カート、台湾新幹線で使用されている車内販売用カートは、すべて当社の製品です。機内食用カートは特殊な認証が必要で、認証をすでに取得しているメーカーに品質をチェックしてもらい、そのメーカーから航空会社に納品するOEMの形態を採っています。台湾新幹線の車内販売用カートは、鉄道事業者から直接受注しています」(許総経理)。

売上構成は、ディフェンス向けが全体の60%を占め、OEMのサーバーラック(標準仕様)が20%前後、各種カートが20%前後。ただし各種カートは、2~3年分を一度に受注するため、年によって受注量が大きく変動する。

「2002年に現在地に移転してからは、毎年5~10%程度で成長してきました。リーマンショックの影響もなく、安定して売上を伸ばしていくことができました。2017年はとくに好調で、前年比30%の増収、2018年も前年比10%の伸びを見込んでいます」。

「ディフェンス向けの仕事は、ずっと右肩上がりで伸びています。現代の“軍備”は、リアルな戦争よりもサイバー戦争への備えが重要になるため、当社が手がけている分野への投資が継続して増えています。サーバーラック関係は、IoTやクラウドの普及などによりデータセンターの建設が加速していることから、今後も伸びていくと思います」(許総経理)。

  • 画像:コンソールとサーバーラックの専門家集団同社が製造する各種ラック、キャビネット
  • 画像:コンソールとサーバーラックの専門家集団事務所内も同社で製造したコンソールをベースに設計している

会社情報

会社名
銘翔興業股份有限公司
総経理
許忠祥
住所
台湾・桃園縣龜山鄉文明二街2之1號
電話
+886-3-327-0768
設立
1979年
従業員数
40名
主要製品
各種コンソール、サーバーラック、機内食用・鉄道車内販売用・病院食用各種カート
URL
http://www.magyco.com/

つづきは本誌2018年5月号でご購読下さい。

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