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日本製のHVLSファンのトップメーカー

高速道路の遮音壁・遮音板、建築資材、新幹線などの板金製品の受託加工

株式会社 西田技巧

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画像:日本製のHVLSファンのトップメーカー①大型ファンに使われるアルミ製の羽根(ブレード)は空気の流れをスムーズに行うため、飛行機の翼のような形状に加工されている/②自社開発の天井型の大型ファン「The First Fan」/③大型ファンは設置する工場に応じてφ7mのブレードまで取り付けることができ、物件対応で3次元CADを使い設計される

設立以来、売上はほぼ一貫して右肩上がり

画像:日本製のHVLSファンのトップメーカー西田裕幸社長(左)と西田かおりマーケティングサブマネージャー(右)

㈱西田技巧の創業者である西田裕幸社長は、岐阜県内の大手鋼材商社グループの営業マンとして活躍していたが1993年に31歳で退社し、個人事業で部品加工の仕事を始めた。西田社長は根っからの営業マンでプロが断るような仕事も旺盛なチャレンジ精神で獲得、信頼を得ていった。

1996年には会社を法人化し現在の「㈱西田技巧」とした。1998年に美濃加茂市内に本社工場を建設、さまざまなネットワークを活用してプラント設備や建築資材など、長尺で大型の製品を主体に仕事を広げていった。加工設備も4mの製品加工に対応できるシャーリングマシン、曲げ長さ4mの加工に対応できるベンディングマシンFBD-2004などを導入、ブランク加工は補助テーブルを活用してVIPROS-255で対応した。

その後、大手商社の鋼材・建材部門とパイプができ、高速道路の遮音壁や遮音板など大型物件の受注にもつなげた。

このほかに得意としているのはTIG溶接品や建築金物、新幹線用をはじめとした鉄道車両部品など。得意先は20~30社程度でその大半が上場企業となっており、大手総合商社とのダイレクトな口座も持っている。現在は売上構成比で20%以上を超える仕事は自社商品を含めて限定的であり、景気変動への対応力も十分備えている。その結果、設立以来、売上はほぼ一貫して右肩上がりで、コロナ禍の影響もほとんど受けていない。

  • 画像:日本製のHVLSファンのトップメーカー4m材までに対応できるパンチングマシンEM-2510NT
  • 画像:日本製のHVLSファンのトップメーカーベンディングマシンHDS-8025NT(奥)、HDS-2204NT(手前右)。曲げ工程には4m対応のベンディングマシン5台が並んでいる

新工場の社員駐車場の屋根に300kWの太陽光発電システムを設置

得意先が増え、仕事も大型化するようになると工場が手狭になった。2015年には、美濃加茂市が造成した「あじさいヶ丘(中蜂屋)工業団地」に3,000坪の用地を取得、新本社工場を建設した。新工場は周辺の環境に適応させるため緑豊かな工場とし、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用という社会貢献の目的もあって、社員駐車場として活用する予定だった約1,000坪の土地に屋根付きの駐車場を自前で建設、その屋根に発電能力最大300kWの太陽光発電システムを設置した。

西田社長は太陽光発電システムを設置した経緯について次のように述べている。

「カーボンニュートラルへの対応から、化石燃料による発電を減らし、太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを活用することが叫ばれるようになりました。最近は駐車場の屋根に太陽光発電パネルを設置する企業が出てきましたが、6年前にはほとんどなく、太陽光発電設備を製作してくれる業者もいませんでした。当社にはパネルを載せる架台やフレーム、建築部材を加工する設備や能力があります。パネルは価格の安い中国製を使えば良いので社内で設計図を描き、必要な部材を社内加工で手配、太陽光発電パネルを中国から調達し、設置工事と配線だけを専門業者にお願いしました」。

画像:日本製のHVLSファンのトップメーカー左:遮音パネルなどアルミ部材の溶接に使われるファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSIS/右:出荷を待つ遮音壁の部材

会社情報

会社名
株式会社 西田技巧
代表取締役
西田 裕幸
所在地
岐阜県美濃加茂市あじさいヶ丘1-5
電話
0574-28-7507
設立
1996年
従業員数
20名
主要事業
プラント設備や建築資材、治具、部品製作、高速道路遮音壁、外装板、ダクトカバー、遮音パネル、大型シーリングファン(自社製品)
URL
https://nishidagiko.co.jp/

つづきは本誌2022年6月号でご購読下さい。

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