Interview

「働き甲斐No.1企業」への挑戦

「ニッチトップ連邦企業」としてグループ年商110億円

髙橋金属 株式会社 代表取締役社長 髙橋 康之 氏

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画像:「働き甲斐No.1企業」への挑戦髙橋金属が定義する「働き甲斐」

髙橋金属㈱は、グループ年商110億円の髙橋金属グループの中核企業。「塑性加工事業」「プレス事業」「完成品事業」の3事業を1工場ごとに展開することで専門性を高め、工場集約による最適生産を行うことで事業間の関係を密とし、設計・調達・加工・組立・輸送・メンテナンスをノンストップで提供している。また、中国とタイに工場を持ち、グローバル拠点として「髙橋ブランド」を世界へ向けて発信している。

グループ経営理念は「私達の成長で世の中が良くなる会社に」。この理念に基づき、高い品質力と技術力を基盤とした開発型経営を強みに、得意先のベストパートナーとして、日々の生産活動に取り組んでいる。それとともに、得意先だけでなく、地域社会、社員とその家族にも貢献する企業を目指している。

また、持続的な競争力と収益力の基礎を築くために「開発型経営でニッチトップ連邦企業を目指す」をモットーに、独自の高い技術力と旺盛なチャレンジ精神で「超塑性加工」と「環境先端技術」を研究・開発。世界中に優れた製品を届ける金属の塑性加工総合メーカーとして発展を続けている。

リーマンショック後の2009年に3代目社長に就任した44歳の若きリーダー、髙橋康之社長に話を聞いた。

35歳で社長に就任

画像:「働き甲斐No.1企業」への挑戦髙橋康之氏

― 髙橋社長は2009年に社長に就任されました。入社後、何年で社長になられたのですか。

髙橋康之社長(以下、姓のみ) 2000年、25歳のときに入社し、9年目の35歳のときに社長に就任しました。

大学を卒業してからはアマダにお世話になりました。アマダを退職したのは、当社が新しく自社オリジナル製品の「電解イオン水洗浄機」を立ち上げることになったためです。髙橋金属に入社してから2~3年は、本社でこの事業の立ち上げに携わりました。その後、中国で営業活動を中心に当事業の立ち上げに関わりましたが、3年くらいしてSARS騒動があったため帰国。それからは部品事業に取り組んできました。

― 35歳という若さで300名以上の会社を引き継いだ格好ですが、事業承継へ向けて何か備えをされましたか。

髙橋 「会社の方針」「人事権」「お金の決済」 ― この3つが手に入ったら名実ともに社長だと思っています。しかし、「お金」は銀行への保証の関係もあり、すぐにというわけにはいきません。そこで「会社の経営方針を立てさせてほしい」と会長にお願いして、経営方針をつくらせてもらうようになりました。でき上がったものを会長に見せ、了承をもらって、発表していきました。

私が初めて方針書をつくったのは30歳のとき、創立50周年の年でした。それまでは会長がすべて作成していたので、ベースはありましたから、方針書自体は珍しいものではなく、中身を私が考えたということです。

― 経営者としての学びは、どこでされたのですか。

髙橋 失敗もありましたが、多分ほかの方よりも勉強や挑戦をさせていただく機会には恵まれていたと思います。やはり、人との出会いや経験から学んだことが役立っています。

たとえば、経営方針を任せてもらったころ、銀行からの紹介もあって、他企業の仕事を手伝わせていただくことになりました。現在は関連会社になっている企業ですが、当時はその企業の社長が難病にかかって経営に手腕が振るえず、後継者もいない状況でした。相手側からすると、事業内容も知らない、どこの誰かもよくわからない若者がいきなり出てきたわけで、軋轢もありましたが、大いに勉強になりました。

営業活動のため、インフラも整っておらず、誰も助けてくれない状態の中国に駐在したことも、貴重な経験でした。とくに中国駐在中の“気づき”―「これからは下請けだけでは成り立たない」「企業を支える技術を大事にしないといけない」という2つの気づきは大きかったと思います。

左:「第5回ものづくり日本大賞」で優秀賞を受賞した「鏡面プレス加工技術と特殊電解イオン水洗浄技術による精密三次元鏡面形成技術」で加工した3次元反射鏡(リフレクター)/右:自社製品の電解イオン水洗浄装置左:「第5回ものづくり日本大賞」で優秀賞を受賞した「鏡面プレス加工技術と特殊電解イオン水洗浄技術による精密三次元鏡面形成技術」で加工した3次元反射鏡(リフレクター)/右:自社製品の電解イオン水洗浄装置

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会社情報

会社名
髙橋金属 株式会社
代表取締役
髙橋 康之
住所
滋賀県長浜市細江町864-4
電話
0749-72-3980
設立
1958年
従業員数
630名(グループ全体)
事業内容
精密金属プレス部品製造/精密板金部品製造/電気機器、産業機械組立/プレス金型の設計・製作/金属パイプ加工/環境関連機器の開発・製造・販売
URL
http://www.takahasi-k.co.jp/

つづきは本誌2018年12月号でご購読下さい。

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