第35回 優秀板金製品技能フェア 優秀作品紹介(その1)
2m超の1枚板からヘミング曲げ・FR曲げを主体に製作
「Hemming・My way ヘミング・マイウェイ」が「日本塑性加工学会会長賞」を受賞
株式会社 佐藤医科器械製作所
2m超の1枚板から高度な曲げ加工で製作 ― 2度目の「日本塑性加工学会会長賞」
「第35回優秀板金製品技能フェア」(以下、板金フェア)の「単体品の部」に出品した㈱佐藤医科器械製作所の「Hemming・My way ヘミング・マイウェイ」(以下、ヘミング・マイウェイ)が「日本塑性加工学会会長賞」を受賞した。同賞は「特に高度な曲げの技術・技能を用いた作品」に贈られ、同社は第32回(2019年度)以来2度目の受賞となった。
この作品は全長2mを超える1枚の板から、ヘミング曲げ(つぶし曲げ)とFR曲げを主体に製作しており、各辺が2枚重ねになっている。スプリングバックも考慮しつつ精度良く曲げた2枚の板がぴたりとくっついており、同賞にふさわしいと評価された。
創業116年の老舗板金企業 ― 5年連続受賞の快挙を達成
1907年(明治40年)創業の同社はステンレスの加工に特化し、製品の90%以上がステンレス製品。主に食品製造装置・計量機器・医薬品製造機器といった「生活になくてはならない」機械・装置の部品を製造している。「板金加工で『できない』とは言わない」をモットーに、長年培ってきたノウハウと最新の加工設備を融合した高い技術力で、耐久性・安全性は言うまでもなく、汚れにくさや掃除のしやすさといったメンテナンス性まで配慮したものづくりに取り組み、顧客の信頼を勝ち取っている。
2015年に32歳の若さで4代目社長に就任した佐藤進平社長は「先人がこれまで築いてきた『品質へのこだわり』『社内外でのチームワーク』『思いやりのあるサービス』が当社の強み。これまで培ってきた技術・ノウハウを礎に、時代のニーズを敏感に取り込みながら、良いものだけをお客さまに提供して社会に貢献し、社員を幸せにできる企業であり続けたい」と語る。
2018年からは板金フェアへの応募作品づくりを技術グループ(冨田繁行課長)のミッションに定めた。同社は第20回(2007年度)の板金フェアで「ホッパユニット“PH”」が「板金加工部品の部」の銅賞を受賞して以降、しばらく入賞から遠のいていた。
2018年度以降は、第31回(2018年度)は「ねじりパイプ」が「経済産業大臣賞」、第32回(2019年度)は「ねじりパイプ改」が「日本塑性加工学会会長賞」、第33回(2020年度)は「ひずみ玉」が2度目の「経済産業大臣賞」、第34回(2021年度)は「『愛』あるモノづくりを」が「単体品の部」のグランプリを受賞。今回の「ヘミング・マイウェイ」が「日本塑性加工学会会長賞」を受賞したことで、5年連続受賞の快挙を達成した。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 佐藤医科器械製作所
- 代表取締役
- 佐藤 進平
- 本社
- 京都府京都市中京区西洞院通御池上ル押西洞院町606
- 滋賀工場
- 滋賀県野洲市野洲1515-1
- 野洲工場
- 滋賀県野洲市野洲1333-1
- 電話
- 077-587-1081(滋賀工場)
- 設立
- 1962年(1907年創業)
- 従業員数
- 97名
- 主要製品
- 計量装置、検査装置、食品小売向け包装機、充填機、質量選別機、印字機、外観検査機のステンレス板金加工部品など
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