Sheet now

150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカー

「茅ヶ崎」は自動車ボディ部品、「山形」は車載用受動部品が主力

株式会社 桜本製作所

LINEで送る
Pocket

画像:150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカー2018年に導入したTP-200FX×6台の2軸ロボットライン(200トンライン)

精密プレス・精密金型の専門メーカー

画像:150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカー池田弘樹社長(左)と、「山形事業部」の岩浪孝臣事業部長(右)

㈱桜本製作所は1961年の創業以来、主に家電・自動車・OA機器などの分野で、精密金型の設計・製作、金属プレス加工の専門メーカーとして発展してきた。60年超をかけて培ってきた高度な金型技術と、業界最大規模の設備機器群による一貫生産体制で、金型製作・試作・多品種小ロット生産・量産のトータルソリューションを提供している。

プレス加工の拠点は「山形事業部」(山形県庄内町)と「茅ヶ崎工場」(神奈川県茅ヶ崎市)の2カ所で、ぞれぞれ異なる顧客・製品を手がける。全体の従業員数は113名で、2工場の内訳は「山形事業部」が約80%、「茅ヶ崎工場」が約20%となっている。

保有するプレス機は15トンから600トンまで、計150台におよぶ。その多くは順送プレス、2軸ロボットライン、タップ複合ラインといった自動化ライン。電気・電子部品などの微細・精密部品から、大型複写機などの大型部品まで、幅広く柔軟に対応できる設備力は同社ならではの強みだ。

金型は、設計・製作から保守・メンテナンスまで、すべて自社内で完結する。プレス加工を熟知したエンジニアが最適な金型を組み上げ、高品質・低コスト・短納期を実現。「山形事業部」では、自社で使用する主要な金型を、収納容量1008型の大規模金型自動倉庫に収納している。

顧客数は、プレス加工企業としては破格の100社超えで、名だたる大手メーカーとの取引も多い。

画像:150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカー左:山形県庄内町にある㈱桜本製作所の「山形事業部」/右:「山形事業部」の工場内。15~600トンの多種多彩なプレス機を備え、微細・精密部品から大型部品まで対応する

家電・自動車・OA機器などの分野で発展 ― 新規顧客、旬の製品を順次開拓

同社は1961年、神奈川県川崎市の桜本町で、輸出雑貨業として創業した。当初はアイロン、ワイン用オルゴール付きデカンタの金属製品を加工し、完成品として欧米へ輸出。その後、ラジオ、ビデオ、カーオーディオといった家電に用いる金属プレス部品の受託加工を手がけるようになった。

1969年には「茅ヶ崎工場」(神奈川県)を開設し、燃料給油口のヒンジなどの自動車ボディ部品を生産。自動車業界でも単発プレスが主流だった時期からいち早く順送化に取り組み、Q,C,D対応を強化してきた。

1975年には「山形事業部」(山形県庄内町)を開設した。立ち上げメンバーは4名のみで、当初は本社と茅ヶ崎工場の仕事をサポートするかたちで操業していたが、その後は新規開拓に力を入れ、独自の顧客・案件を増やしていった。

「山形事業部」の初期の主力顧客は、山形から秋田にかけて立地する農機具メーカーで、その後は家電、OA機器、医療機器、モーター、電子部品などの大手メーカーを順次開拓。時代の変遷に合わせて、プラズマテレビ、携帯電話、オーディオ機器、電子手帳、オフィス向け複合機、BSアンテナ、モーターケース、コネクタなどのプレス部品を手がけ、事業を拡大していった。ピーク時には、金型製作が月150型、プレス加工が月2,400万個におよんだという。

  • 画像:150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカー「茅ヶ崎工場」に導入したサーボプレスSDEW-3025。自動車部品向けに1200MPa級の高張力鋼を加工している
  • 画像:150台のプレス機を備えた精密プレス・精密金型の専門メーカーTP-60FX×4台の2軸ロボットライン(60トンライン)。既存の60トンプレス×2台とL字で連結して6台ラインにもできる

会社情報

会社名
株式会社 桜本製作所
代表取締役
池田 弘樹
本社
神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-9-6
茅ヶ崎工場
神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3-2-59
山形事業部
山形県東田川郡庄内町常万字一本木西21
電話
0234-43-3555(山形事業部)
設立
1961年
従業員数
113名
主要事業
レス金型設計製作、プレス加工全般
URL
https://www.sakuramoto.co.jp/

つづきは本誌2025年4月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから