変化対応力と設備力で競争に打ち勝つ板金企業
小物から大物、意匠物まで対応 ― お客さまのイメージをカタチに
大板加工用のファイバーレーザマシンENSIS-6225AJ(6kW)の1号機を導入
株式会社 エッジ・エンタープライズ
長尺曲げを主力とする専門工場として創業
㈱エッジ・エンタープライズは1952年、東京の城東地区で3mを超える長尺曲げを主力事業とした専門工場、森川シャーリング㈱として設立した。受注製品の90%は1点もので、多様なニーズに対応できる設計力・技術力を強みとして成長。創業以来68年間のノウハウと、創意工夫・相互連携によりシステムのポテンシャルを活かし、高品質の製品を迅速に供給することで発展を続けている。
2017年4月には現在の社名である「㈱エッジ・エンタープライズ」へと社名変更した。2019年3月には都内6カ所にあった工場を川口工場に統合移転した。川口工場の屋根には容量200kWの太陽光発電装置を設置して、工場内の電力需要を賄うとともに、余剰電力を売電する事業を開始。サステナビリティ(持続可能性)社会に対応した取り組みにも先鞭をつけた。
川口工場には新たな設備としてパネルベンダーと、長尺製品の曲げ加工に対応できる2台の大型ベンディングマシン(1台は加圧能力400トン・曲げ長さ4m、もう1台は加圧能力600トン・曲げ長さ6m)を導入。さらに2019年にはフォーク式パレットチェンジャーとTK(テイクアウトローダー)付きのファイバーレーザマシンENSIS-4020AJ(6kW)+ASFH-4020G+TK-3015Lを、2020年9月には4´×8´(1,219×2,438㎜)の定尺材を最大5枚同時に載せて加工ができる大板加工用ファイバーレーザマシンENSIS-6225AJ(6kW)+LST-6225を相次いで導入し、加工能力を大幅に向上させた。
新たな思想や思考でチャレンジする
森川弘庸社長は機械メーカーで8年ほどサービスエンジニアとして保守点検サービスに従事した。顧客であるものづくり企業のQ,C,Dの改善に取り組みながら、顧客満足度向上に努め、社会貢献に関するさまざまな取り組みを学んだ。その後、親しくしてもらった経営者たちに背中を押されるかたちで、家業の森川シャーリングに転職。2013年5月に2代目社長に就任した。
森川社長は自社の姿勢について「困難な仕事はチャンスと思い『できなかったことを次はできるようにする』『できたことはさらに磨きをかける』という思いで仕事に向き合い、古き良きものを残しつつ、新たな思想・思考でチャレンジする次世代型ものづくり企業を目指していきたい」と述べている。
主要製品は駅構内に設置されている吊り看板パネルなどの看板やサイン、オブジェ、個人住宅用のシステムキッチンに使われるシンクパネル、マンションのエントランスなどに用いられるインターホンパネル。車両関係はタイヤケース、大型車ガード、大型車向けバンパー、フェンダーなど、ロットの小さい多品種少量生産品が大半だ。
取り扱う材料はステンレスのSUS304、SUS430、SUS316、SUS310、SUS442、アルミのA1100、A5052、A5083、スチールの電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、高耐食めっき鋼板、SPCC、酸洗材、伸銅品の真鍮、銅など多種にわたる。板厚は0.5~19㎜で15種類340パターン、150トン以上を常時在庫している。ストック材料の中には入手困難なサイズや、ヘアライン・鏡面仕上げなどの特殊材料もある。設備がフル稼働した場合、1カ月の加工重量は約80トン ― つまり約2カ月分の材料を常に在庫し、顧客の要望に対応している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 エッジ・エンタープライズ
- 代表取締役社長
- 森川 弘庸
- 本社
- 東京都足立区江北6-19-4-111
- 川口工場
- 埼玉県川口市東本郷1-6-6
- 電話
- 048-446-7880(川口工場)
- 設立
- 1952年
- 従業員数
- 30名
- 主要製品
- ステンレス板金加工、サッシ・ドア、各種フレーム・カバー、建築内外装飾品、サイン看板、金属パネル、特装車フェンダー・バンパー
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