好調な食品機械を支える板金加工
パーツ・ユニット・自社ブランド製品の3本柱を目指す
ステンレス加工技術と総合力で食の安全・安心に貢献
株式会社 ファイネス
2000年設立、短期間で急成長
㈱ファイネスは、埼玉県飯能市でステンレス加工をメインとする精密板金加工、粉体・液体容器、食品・医薬品製造機械、包装機器などの製作・組立を行っている。
金杉賢治社長が1998年に溶接を主体とする「金杉精密」として個人創業、2000年に法人登記、2002年頃から板金加工に参入した。金杉社長の腕一本でスタートしてから18年、後発でありながら今では社員45人を抱え、板金加工から機械加工、アセンブリーまでワンストップで対応するサプライヤーとして成長している。
アセンブリーまでのワンストップ対応に挑む
金杉社長は工業高校を卒業後、東京都昭島市にある父親が経営する板金工場で9年間勤務、シャーリング、セットプレス、レーザ加工、溶接と現場を経験した。三男だった金杉社長は父親の事業継承を2人の兄に任せ、独立を決意。個人会社「金杉精密」を創業、埼玉県入間市の貸し工場で、溶接機1台からスタートした。
「たまたま医療機器向けのアルミ・薄板のカバーの溶接の仕事が舞い込んできて、うまくできた。それがお客さまに評価され、半導体ウエハーの検査装置のパーツの仕事をいただけるようになりました。月1,000万円というボリュームで、切断・曲げは協力会社に依頼しながら、寝る間を惜しんで溶接をこなしました」(金杉社長)。
2000年には法人化し、30坪の貸し工場から150坪の貸し工場へ移転した。外注費の割合が極端に高かったため、2002年にはレーザマシンLC-1212αⅢNT、ベンディングマシンFBDⅢ-1025NT、2次元CAD/CAM AP100を導入して内製化に踏み切り、社員も少しずつ増やしていった。
ところが、半導体関連の仕事は受注変動が激しいため、月1,000万円の仕事量がゼロになることもある。そこでリスク分散のため、医療機器、食品・医薬品といった分野を新規開拓していった。
しかし食品関係の仕事はコストが厳しく、パーツ単位の受注では付加価値が見込めない。「2次請け・3次請けでパーツだけをつくっていたのでは成長できない。ユニット単位でまるごと受注し、サブアセンブリーまで対応することで付加価値を改善できるようになり、自分たちの強みも出せる」と考えた金杉社長は、パーツサプライヤーから脱却し、アセンブリーまでのワンストップ対応を目指すようになる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ファイネス
- 代表取締役
- 金杉 賢治
- 住所
- 埼玉県飯能市茜台3-5-4
- 電話
- 042-978-7406
- 設立
- 2000年
- 従業員数
- 45名
- 事業内容
- ステンレス加工をメインとする精密板金加工、粉体・液体容器製作医療食品機械の製作組立
つづきは本誌2016年8月号でご購読下さい。