板金+機械加工の一貫生産でハイクオリティー&ローコストなモノづくり
LC-C1AJ導入で高反射材の加工に対応
株式会社 エイム・トータス
大手電機メーカー向けの仕事から発展
㈱エイム・トータスは1982年、伊藤隆社長が25歳のときに工業用部品の製造を目的に創業した。伊藤社長は学校卒業後、大手電機メーカー向けの仕事を手がける電気会社で資材を担当したのち、近隣の板金加工企業で2年間勤め、25歳で独立、実家の敷地内で同社を立ち上げた。
創業時は、アマダのシャーリングとユニパンチプレスとベンディングマシンを中古で導入し、伊藤社長と夫人の伊藤由美子さんを含む4人で板金加工企業としてスタート。以前の勤務先から大手電機メーカー向け製品の仕事を受注し、2次下請けとして筐体から内部部品まで幅広く手がけてきた。事業が軌道に乗ってからは、機械加工やバフ研磨を社内に取り込み、加工技術を磨いていった。特に、耐候性と外観品質に優れたステンレス筐体は同社の特徴的な製品となっている。
創業以来のモットーは「誠実・正確・迅速・高品質・低価格」。多品種少量生産から量産まで柔軟に対応できる生産体制で、得意先の要望にフレキシブルに対応し、徐々に得意先の数を拡大してきた。努力の甲斐あって、バブル崩壊やリーマンショックを経験しながらも、35年間黒字決算を続ける優良法人として堅実に発展してきた。
20代なかば以降の青春時代を会社の発展に捧げてきた伊藤社長は「会社の成長は子どもと一緒。一生懸命、少しずつ、大切に育ててきました」と振り返る。
バイタリティーあふれる伊藤社長の両脇を支えるのが、夫人の伊藤由美子さんと、子息の伊藤俊一取締役だ。事業継承者である伊藤取締役は現在33歳。2003年に入社し、現場で8年間、板金工程をひととおり経験、2011年からは専任の営業担当者として活躍している。社員の平均年齢は40代前半だが、伊藤社長世代と伊藤取締役世代の2層に分かれており、技能伝承・事業継承の備えも万全だ。
多様な業種に加え、開発・試作からも対応
現在の得意先社数は約30社。このうち、メインの3~4社で売上全体の60~70%を占める。
「一時期は1社からの売上比率が50%近くになってしまったこともありましたが、お客さまの業績悪化による影響の大きさを考慮して、リスクヘッジのため1社あたりの売上比率を30%以下に抑えるよう、意識してきました」(伊藤社長)。
主要得意先は大手電機メーカー、大手医療機器メーカー、印刷機器メーカーなど。業種としては、電気機器、鉄道車両関連、通信機器、印刷機器、産業用エレクトロニクス機器、真空機器、半導体製造装置関連などを幅広く手がけている。最近は、開発・試作にも積極的に取り組み、新規分野への参入を目指している。
最近はメーカーとの直接取引のほかにも、1次の組立企業が間に入り、同社が板金加工(カバー類)・製缶(フレーム類)・機械加工(内部部品)・溶接組立を一式で行い、組立企業が完成品に組み上げてメーカーへ納める仕事のボリュームが増えている。この形態で受注する製品の主力は、業務用印刷機器のカタログ商品で、生産ロットは100台単位。同社がメーカーの開発設計部門と協業することにより、開発・試作から量産まで手がけている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 エイム・トータス
- 代表取締役
- 伊藤 隆
- 住所
- 東京都八王子市下恩方町308-25
- 電話
- 042-651-6269
- 設立
- 1982年
- 従業員数
- 35名
- 主要事業
- 精密板金・製缶・機械加工・溶接・2次加工・樹脂加工・レーザ加工・バフ研磨
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