特集

都市型板金工場の必需品 ― BREVIS-AJ導入事例

「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化

レーザマシン初導入 ― 内製化により納期短縮・端材活用を実現

株式会社 土筆鋼業

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画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化2022年11月に導入したコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ(4´×8´リポジショニング仕様)

レーザマシンを初めて導入

画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化中村淳一社長

㈱土筆鋼業は2022年11月、コンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJを4´×8´リポジショニング仕様で導入した。同社にとって初のレーザマシンであり、主力である「金属屋根製品」の周辺で使用する「付帯部品」などの加工に活用している。

同社は屋根面積1,000㎡級の「金属屋根製品」一式を1~3日という短納期で納めており、納期遵守を徹底させるためには「付帯部品」の内製化が大きなテーマとなっていた。

BREVIS-AJの導入によって「金属屋根製品」から「付帯部品」まで社内で完結できる体制が整い、納期短縮を実現。また、簡易板取り機能i-CASを使用することで、これまで使い道がなかった「金属屋根製品」の端材を「付帯部品」の加工に活用できるようになり、材料ロスを大幅に削減できた。

建築金物が主力 ― 住宅から大型物件へ

同社は1970年の設立以来50年超にわたり、「金属屋根製品」をはじめとした建築金物を手がけてきた。設立当初は「住宅」の軒先などに用いる建築資材を手がけ、その後、顧客からの要望に応えるかたちで「住宅リフォーム」の分野へ進出した。

転機が訪れたのはバブル崩壊直後の1990年代前半。それまでは「住宅」向けが中心だったが、工場や商業施設、レジャー施設、スポーツ施設、鉄道駅といった「大型物件」へとシフトした。これにより、取り扱う製品のサイズやボリュームが大きく変化。迅速・丁寧かつ誠実な仕事ぶりが評判を呼び、着実に事業を拡大していった。

2020年に2代目社長に就任した中村淳一社長は「私が入社した1985年頃は、従業員数5~6名の規模で、工場も1棟だけでした。創業者の父は『時代が求める価値を創造する』を経営理念に掲げ、バブル崩壊後の市場環境の変化を見て取って、一般住宅から大型物件へとシフトしました。それからは口コミによる紹介でお客さまが増えていき、今では従業員は22名、工場は3カ所になりました」と振り返る。

  • 画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化BREVIS-AJのNC装置AMNC 3iを操作する
  • 画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化BREVIS-AJで加工したSPCC・板厚4.5㎜の切断面。加工品質に対する得意先の評価も良好だ

建材メーカー・建材商社など約100社と取引

現在の得意先は建材メーカー、建材商社、住宅・リフォームの工事業者、金物店向け卸業者など約100社。上位5社で売上全体の60~70%を占め、中でも建材メーカー数社の占める割合が大きい。

「コロナ禍の影響で仕事量は減りましたが、落ち込み方はゆるやかで、赤字になることもありませんでした。ちょうど父が倒れて私が後を継いだ時期と重なり、仕事が落ち着いている間に社内の体制を整えることができたので、当社としてはかえって助かりました。材料費の値上がり分も、メーカーとの直接取引が多かったこともあってスムーズに価格転嫁できました。まだコロナ前の水準には届きませんが、仕事量は回復傾向で推移しています」(中村社長)。

  • 画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化金属屋根製品」の曲げ加工。薄板の長尺製品が多いため2人作業になることが多い
  • 画像:「金属屋根製品」の「付帯部品」のレーザ加工を内製化パイプ・形鋼を用いたフレームの溶接製缶も行っている

会社情報

会社名
株式会社 土筆鋼業(つくしこうぎょう)
代表取締役
中村 淳一
所在地
東京都江戸川区東小松川4-34-10
電話
03-3656-6741
設立
1970年
従業員数
22名
主要事業
金属屋根製品をはじめとした建築金物、金属サインの製作
URL
https://www.tukushikougyou.com/

つづきは本誌2023年8月号でご購読下さい。

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