特集

好調な食品機械を支える板金加工

除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発

食品機械に求められる“加工品質”や“衛生水準”を満たすモノづくりを徹底

絹川工業 株式会社

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画像:除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発①パンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-48M/②自社製品の「スパイラル冷却装置」

業容を着実に拡大―自社製品事業の展開

石川県白山市にある絹川工業㈱は、バス・トラック関連部品をはじめ、仕分け搬送装置や繊維機械、食品機械関連の部品・装置の製作を手がける。自社製品事業として、除水装置や冷却装置など食品工場向け省力化装置の開発・製造・販売・据付を行っている。

創業は1947年。絹川龍彦社長の祖父が石川県野々市市に絹川工作所を設立し、旋盤やフライス盤を用いた機械加工の仕事をスタート。1960年には絹川社長の父が2代目社長に就任するとともに、バスの部品製作の仕事を開始した。1988年に社名を㈲絹川工作所に変更、業績は順調に伸び、1990年には第2工場を建設した。トラックや搬送装置の部品製作の仕事は、1980年代後半からはじめている。

1995年、本社工場と第2工場を合併し、現在地(石川県白山市)へ移転、社名を絹川工業㈱に変更。1999年には食品業界向けに機械や装置の仕事をスタートした。

2005年に絹川龍彦社長が代表取締役に就任するとともに、設備投資や事業拡大に向けた取り組みを活発化。2007年、本社工場の隣接地に第2工場を建設、2008年にパンチ・レーザ複合マシンを導入、2010年には技術・設計部門を設立し、自社製品事業を本格的に展開するなど、会社の成長を促す取り組みを積極的に行ってきた。

画像:除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発左:石川県白山市にある絹川工業㈱/右:川端秀喜工場長(左)、絹川龍彦社長(中央)、一松幸則係長(右)

除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発

同社の事業は、「受託加工」と「自社製品事業」。「受託加工」では、バス・トラック、仕分け搬送装置、繊維機械、食品機械関連の得意先から仕事を受注。架台、ダクト、ホッパー、筺体、カバーといった製品を製作している。

「自社製品事業」では、搬送装置関連の仕事で培った加工技術をベースに、除水装置、スパイラル冷却装置、箱詰装置などの食品工場向け省力化装置を開発・販売している。

「自社製品事業を本格的に展開したのは、リーマンショック後です。2009年はリーマンショックの影響が最も大きく、当社の仕事量は軒並み減少しました。世界的な不況のため、“待ちの姿勢”では会社の売上が上向かないことはハッキリしていました。『このまま、くすぶるわけにはいかない。何かしなければ』と悩んだ結果、自社製品事業を本格的に展開し、会社の成長を促すことを決断しました。折よく、食品機械の設計に詳しい知人が入社していた時期だったので、食品機械の製品開発を進めることにしました」。

主力製品は「除水装置JC2」。同製品はレトルトパウチや豆腐パックなどの包装食品の表面に付着した水滴をエアーブローで除去する装置。基本サイズはL1,010×W565×H1,200㎜で、省力化装置としてはコンパクト。主な納入先は食品メーカーの食品加工ラインで、大手食品メーカーへの納入実績もある。

ほかには、充填包装機より排出された商品を設定温度まで冷却するスパイラルコンベアで構成された「スパイラル冷却装置」、トレー容器をコンテナに箱詰めする「箱詰装置」などを展開している。

食品工場向け省力化装置のリードタイムは最短で3カ月。受注確定後は、設計(カスタマイズ含む)や加工で1カ月、組立で1カ月、試運転・調整・検査で1カ月という流れで進めている。また自社製品の設計と販売は、グループ会社が主導し、絹川工業は主に製造を担当する。

  • 画像:除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発EML-3510NTは板厚3.2㎜以下の加工を担当している
  • 画像:除水装置や冷却装置など、食品工場向け省力化装置を開発ベンディングマシンHDS-2203NTによる曲げ加工

会社情報

会社名
絹川工業 株式会社
代表取締役
絹川 龍彦
本社工場
石川県白山市福留町378-1
電話
076-277-0125
設立
1947年
従業員
28名
業種
バス・トラック、仕分け搬送装置、繊維機械関連の部品製作、冷却装置や除水装置などの食品機械の製造・販売・据付
URL
http://www.kinukawa.co.jp/

つづきは本誌2016年8月号でご購読下さい。

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