特集

レーザマシンの活躍で企業が変わる

インパクトのある設備導入が必須

自動倉庫MARSとリンクしたLC-C1AJ導入で生産性は2倍以上に向上

株式会社 伊藤製作所

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画像:インパクトのある設備導入が必須2015年末に導入した、ファイバーレーザ複合マシン LC-2512C1AJ+RMP-2512NTK+MARS(11列10段)の自動化ライン

プレスと板金の2本柱

㈱伊藤製作所は、家電(主に空調機器)や照明機器向けのプレス加工品、板金加工品をメインに手がける静岡県富士宮市にあるプレス板金工場。

創業は1968年、伊藤大史(ひろふみ)社長の祖父が富士IC近くにプレス加工業としてスタート。その翌年に、東芝・富士工場との取引を開始し家電関連のプレス加工の仕事を受注して以来、売上の50~60%を占める得意先とし取引が続いている。1975年に先代が社長に就任、1978年に株式改組、1984年には金型工場を増設。金型製作用のCAD/CAMシステムも導入して、自社で使うプレス金型は全量内製化するようになった。1998年、パンチ・レーザ複合マシンAPELIOⅢ-357Vの導入を機に板金事業を強化した。

大きな転機となったのが2005年の工場移転。事業規模の拡大にともない工場が手狭になったことや、周辺が宅地だったため騒音にも配慮し、現在地(静岡県富士宮市)への移転を決断。まず土地を購入、3年後に工場建屋の建設に着工した。しかし、着工して間もなく、先代が病に倒れたことで、急遽、伊藤社長(当時は専務)が会社のかじ取りを担うことになった。

「2005年に工場移転してからの3年間は試練の連続でした。受注環境もITバブル崩壊(2001年)の影響で悪化しており、そこに加え新工場建設投資の償却とキャッシュフローも厳しくなり、社員をはじめ、お客さまや融資していただいた金融機関の方たちも不安な気持ちになっていたと思います。直面する課題をひとつひとつ乗り越えて信頼を獲得していく―そんな3年間でした。今振り返ると『ピンチはチャンス』ではありませんが、結果的には当社が大きく変化した時期でした」と伊藤社長は当時を振り返る。

画像:インパクトのある設備導入が必須左:伊藤大史社長/右:静岡県富士宮市にある㈱伊藤製作所。屋上に太陽光発電パネルを敷設している工場は2005年に、薄緑色の屋根の工場は2015年に建設した

プレスと板金を合わせた複合加工が強み

伊藤社長は、2010年に代表取締役に就任したあとも持ち前の視野の広さと決断力をいかんなく発揮。2011年に「エコアクション21」の認証を取得、2013年に東芝ライテックとの取引を開始、2014年にはシャーリングマシンM-4045やベンディングマシンHG-1704を導入、金型設備も大きく更新するなど、新しい取り組みや適切な設備投資を行い、事業を拡大してきた。

伊藤社長は「これからの経営は社員の総意 ― ベクトルを合わせて同じ目標に突き進むことが必要だ」と常々考えていた。得意先から指示されたことに終始するのではなく「世の中に貢献できること」(伊藤社長)をやらなければいけないとの考えから、環境負荷軽減に役立つエコ・プロダクト、プロセス・エコ、カンパニー・エコにも取り組むようになった。

また同社は、創業当時から取り組む金型製作からプレス加工までに対応したプレス加工のノウハウと、多品種少量生産化が進む中で取り入れてきた板金加工のノウハウを備えている。そこで、型化によるプレス加工をはじめ、ブランクをプレスで抜いて曲げ加工をベンディングマシンで行う、といったプレスと板金の複合加工を積極的に提案。さらに、多品種少量生産に対応した板金加工主体の工法提案も意欲的に行うことで、得意先からの信頼を厚くしていった。

2015年には、過去10年間で最高の投資額となる3億4,000万円を投じて新工場を建設するとともに、ファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ+RMP-2512NTKと自動倉庫MARSを導入した。

  • 画像:インパクトのある設備導入が必須HDS-5020NT(左)やHG-1704(右)などが並ぶ曲げ工程
  • 画像:インパクトのある設備導入が必須照明機器関連の製品。製品ひとつひとつの間に合紙(あいし)をはさみキズ予防を徹底

会社情報

会社名
株式会社 伊藤製作所
代表取締役
伊藤 大史(ひろふみ)
本社工場
静岡県富士宮市西山2442-2
電話
0544-65-3777
設立
1978年(1968年創業)
従業員
56名
業種
家電や照明機器関連部品の設計・製造、プレス加工
URL
http://www.itou.co.jp/

つづきは本誌2016年7月号でご購読下さい。

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