特集

台湾板金業界―多品種少量生産の自動化対応が課題

多品種少量生産に対応した自動化を検討

ファイバーレーザマシンをフォークパレットチェンジャー付きで導入

金誼 股份有限公司

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画像:多品種少量生産に対応した自動化を検討①昨年末に導入したファイバーレーザマシンLCG-3015 AJ(2kW)。フォークパレットチェンジャー(ASFH-3015G)付きで導入している/②LCG-AJでファイバーレーザ加工した製品/③LCG-AJに装備したフォークパレットチェンジャー付きの棚

鋼材販売から板金加工へ

画像:多品種少量生産に対応した自動化を検討宋明憲董事長(右)と宋威練総経理(左)

宋明憲董事長は親族が経営する鋼材販売の仕事に携わり、商社経由で日本からコイル材を輸入、スリッター、レベラーのコイルラインで幅切りした切板を販売していた。しかし、この業態では付加価値が少ないと考え、1990年に台北県新荘市で金誼股份有限公司を設立した。

創業当時は台北にも拠点があった日系の田島順三製作所(現在は三和タジマ)から建築金物関連の仕事を受注、日系メーカーから導入した設備で加工して出荷していた。その後は空調やエレベーター関係の仕事を受注するようになった。

2003年、宋董事長の長男を中心に中国・上海市南翔区に金昇隆金属制品(上海)有限公司(以下、上海工場)を設立。主に欧米系企業が中国国内で販売する金属製品の加工を受注するようになった。2005年には桃園県の林口工三工業区に土地1,500坪を購入し、本社工場を移転。それまでの新荘市の工場は第1工場とした。

  • 画像:多品種少量生産に対応した自動化を検討プログラム作業を行う事務所
  • 画像:多品種少量生産に対応した自動化を検討3次元設計が行われたあとは、作成した製品モデルを使って製造性の検証が行われる

台湾・上海で7台のレーザマシンを活用

林工三工業区の新本社工場には欧州製のレーザマシン、100棚を備える製品自動倉庫、ベンディングマシン、溶接ロボットなどを新たに設備した。また、ISO9001:2008の認証をはじめ、2009年には英国認証機関認定審議会UKAS(ユーカス)のISO9001の認証も取得した。

現在の得意先は100社ほどで鉄道車両、機械カバー、クリーンルーム関連、建築金物、船舶用機器、医療機器など業種は様々。売上に占める割合もほぼ15%ずつと均等に受注するように心がけており、景気変動に対応している。

鉄道車両向けでは台湾鉄路の通勤電車の車両部品を生産するだけではなく、日本の電車部品の受注もある。同社はこれらの車両に組み込まれる運転台の筐体一式を加工から溶接・組立、塗装まで対応している。

また、機械カバーに関しては複数の日系工作機械メーカーから受注しており、最近では試作に対応。量産は台中の同業者が行っている。

画像:多品種少量生産に対応した自動化を検討台湾鉄路の通勤電車向け運転台の筐体

会社情報

会社名
金誼股份有限公司
董事長
宋明憲
総経理
宋威練
住所
台湾・桃園県亀山区文明路70之1號(林口工三工業区)
電話
+886-3-328-5001
設立
1990年
従業員数
60名
主要事業
鉄道車両の運転台、車両用空調機器、工作機械、食品機械カバー、制御盤、介護用ベッド、工具箱、建材部品など

つづきは本誌2015年9月号でご購読下さい。

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