レーザマシンの活躍で企業が変わる
負荷軽減と省力化 ― ふたつの課題をEML1台で解決
EML導入で生産性が1.3倍向上
株式会社 サクラダ工業
①パンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT+ASR-510M。導入から10年経った今も主力機として活躍している/②ブランク材ひとつひとつに、インクジェットで製番をマーキング
工作機械や射出成形機の部品製作に精通
岐阜県各務原市にある㈱サクラダ工業は、品質や特急対応に定評がある少数精鋭の板金加工工場。製品は主に、工作機械や射出成形機向けカバー、筺体などを手がけている。
創業は1947年、横山慎二社長の祖父が岐阜県加納桜田町で溶接業をスタート、社名は町名からとって「サクラダ工業」とした。1951年に三菱レイヨン六条工場、1958年には豊田工機(現・ジェイテクト)の協力工場となった。1959年、有限会社に法人化。1963年に村田機械犬山工場の協力工場となった。当初は繊維機械関連の仕事を手がけていたが、得意先の事業部門の再編にともない工作機械関連の仕事へとシフト、このあたりから売上に占める工作機械のウエイトが徐々に高まっていった。その翌年(1964年)には金属工業団地工場(岐阜県各務原市)が完成し、加納桜田町から現在地へ移転。1966年に㈱サクラダ工業に株式改組した。
その後も、小回りが利きやすい少数精鋭の強みを活かした特急対応や丁寧なフォローで得意先からの信頼を獲得。1995年には三菱重工業(現・プラスチックテクノロジー)の協力工場に認定されるなど、業容を着実に拡大してきた。
2006年に横山慎二社長が3代目経営者として社長に就任。「今年で社長11年目になります。就任3年目でリーマンショックを経験するなど、これまで色々なハードルがありました。しかし困難な状況に直面しても、スタッフのサポートのおかげで乗り越えることができました。今では、お客さまが困ったときに頼っていただけるようなモノづくり企業になれたのではないか、と思っています」(横山社長)。
左:岐阜県各務原市にある㈱サクラダ工業の本社工場/右:横山慎二社長
売上比率の50%が工作機械関連
同社の得意先社数はおよそ15社。そのうち2社で売上の80~90%を占める。売上比率は、工作機械関連が50%、射出成形機関連が30%、その他が20%となっている。
日本工作機械工業会は年頭、2016年の工作機械受注総額は2015年の1兆4,806億円を上回り、1兆5,500億円程度まで伸びるとの見通しを発表した。ただ、直近の動きをみると、5月時点の受注実績では10カ月連続で前年同月を下回っており、内需・外需ともに動きが鈍くなっている。
横山社長は「我々サプライヤーも、4月あたりから工作機械関連の仕事量が減ってきていると感じています。射出成形機に関しても『最近は中型機がほとんど売れない』という声が聞こえてきます。産業機械全般への需要が低調になっていることは、最近のトレンドだと思います。ただ、現時点での減少要因は、投資意欲の落ち込みによる需要減少だとは考えておらず、6月に採択先が発表される予定の政府主導の補助金の詳細待ち―いわゆる“補助金待ち”が顕著に出てしまったのではないかと捉えています。そのため、投資が本格化するのはおそらく6月以降で、下期は需要が回復してくると見込んでいます」と語る。
左:曲げ工程/右:溶接は部材がすべて集まってから作業をはじめるため、必ず納期順に進むことになる
会社情報
- 会社名
- 株式会社 サクラダ工業
- 代表取締役
- 横山 慎二
- 工場住所
- 岐阜県各務原市金属団地101
- 電話
- 058-382-2281
- 設立
- 1959年(1947年創業)
- 従業員
- 11名
- 業種
- 工作機械・射出成形機向けカバーなどの板金加工品製作、製缶加工
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