「ひとから生まれるものづくり」
ブランディングで差別化を目指す
島田工業 株式会社
設計から電気配線・配管の組み付けまでワンストップ対応
島田工業㈱は医療・建設・交通・農業などの幅広い分野の筐体フレーム・部品の設計、精密板金加工、電気配線・配管の組み付けまでワンストップで対応する従業員数133名の中堅板金加工企業である。
PM2.5による大気汚染をきっかけに、これまで培った医療分野の空調機器の製造ノウハウを生かして、空気中に漂う臭いやウイルスを除去できるLEDライト付き天井設置型空気清浄機「L&Air」の開発を進めた。「L&Air」は、㈱信州セラミックスが開発したウイルス・細菌・花粉を吸着分解する「アースプラス」が塗布された抗ウイルス・除菌フィルター「HEPAフィルター」など3種類の清浄フィルターを採用。島田工業の100%子会社であるSMT㈱で販売を開始し、群馬県をはじめ関東圏の病院・薬局・医務室などに導入されている。
業績はコロナ禍でも堅調
同社は島田渉社長の父・島田利春会長が1973年に創業し、2023年に創業50周年をむかえる。
1997年には、サービスを提供する事業者が契約者に対し、サービスを保証する「SLA」(サービス品質保証)の考えに基づき、大手空調機器メーカーの業務用エアコンなどの組立を行う「SLA事業所」を新設した。
2017年には研究開発と製品販売の子会社SMT㈱(社長・島田利春氏)を設立。島田工業の開発製品や他社製品の販売窓口となり、その他の商材・サービスについても取り扱いを行うようになった。
現在は空調機器関連製品からや冷熱関連機器の開発・製造を主とし、「L&Air」などの自社商品の開発・製造・販売、さらには一部仕入れ商品の販売まで幅広く手がけている。多品種少量生産を軸に自社一貫生産体制を構築し、高品質な製品生産を実現した。
「コロナ禍でも医療機器メーカーの血液・検体・ワクチンなどを冷凍保存する超低温フリーザーの生産が大幅に伸びました。医療機器の増産に対応して事業再構築補助金が採択され、工場を増設した効果もあって、前期(2021年10月期)の売上は増収となりました」と島田社長は語る。
今期(2022年10月期)は部品不足の影響で得意先の生産調整が続いていることから、売上の落ち込みが予想されるが、営業利益率は増加が見込まれる。
「ものづくりはひとづくり」を有言実行
1998年に入社した島田社長は今年49歳の働き盛りで、2011年に社長に就任するまでは生産管理を中心にすべての現場を歩き、経験を積んだ。社長就任後は「ものづくりは人づくり」を実践し、社員教育に力を注いだ。社員のモチベーションアップをはかり、意識改革に努めている。
「当社の経営理念は『顧客満足』です。顧客とはお客さまはもちろん、社員、家族、仕入先様、地域の方々など当社と関わるすべての方が『満足』するという意味です。企業とは人を成長させ、人を幸せにする場所です。人が成長するからこそ企業も成長し、そこにいる人たちが幸せになります。当社の『ものづくり』が多くの人の笑顔と幸せに貢献することを願い、『信頼できるひとづくり』『信頼できるものづくり』に励み続けます」と島田社長は語っている。
会社情報
- 会社名
- 島田工業 株式会社
- 代表取締役
- 島田 渉
- 所在地
- 群馬県伊勢崎市長沼町2202
- 電話
- 0270-32-3516
- 設立
- 1980年(1973年創業)
- 従業員数
- 133名
- 主要事業
- 空調設備関連製品の設計・部品加工・製品組立、医療用冷凍保管庫・業務用食器洗浄機・半導体製造装置・理科学用機器・ポンプ用制御盤などの精密板金・プレス部品の設計・製造、自社企画商品の開発、製造開発支援業務など
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