サニタリー設計に対応する食品機械メーカーの板金トレンド
「食」に対する時代の要求に対応しながら事業を発展
群馬工場は2019年4月に操業開始
株式会社 中西製作所
売上の50%が学校給食センター設備
㈱中西製作所は、学校・病院・事業所・ファストフードショップ・レストランなどに向けた業務用厨房機器の総合メーカー。先ごろ、群馬県伊勢崎市の伊勢崎宮郷工業団地に工場用地3万3,000㎡の土地を取得、2018年2月に着工し、9,400㎡の工場を建設、2019年4月の操業開始を予定していることを発表した。
同社は終戦の翌年、児童給食事業促進の一翼を担うべくアルミ製の食器や調理器具の販売事業を開始。以来、経済発展とともに、「栄養」から「おいしい」「安全」「衛生」へと「食」を発展させてきた。現在、学校給食などで使われる洗浄機・消毒機・炊飯機・調理機などの大型システムの分野では、ほかのメーカーの追随を許さない業務用厨房の総合メーカーとなっている。2017年3月期の単独売上高は258億円。そのうちの約半分を給食センター向けが占めている。
「中食」の市場規模が拡大
「『食』に対する社会のニーズは、ますます発展・成長して行くと思われます。『学校給食』では、多数の老朽化した学校給食センターの更新、『病院給食』では、高齢化の進展による老人福祉施設の増加、『事業所給食』では世界的な最先端技術を用いた新工場建設にともなう新たな社員食堂施設の増加、『外食産業』では、日本マクドナルド様との取引を核にして、様々な大手チェーン店への展開、さらに食生活の多様化を背景にレトルト食品やコンビニ弁当など飛躍的な成長を遂げる『中食産業』など、魅力ある将来性豊かなマーケットを持つ業務厨房事業に引き続き取り組んでまいります」(同社Webサイトより)と、中西昭夫社長は積極的な事業を展開していく方針を発表している。
学校給食需要は今後、少子高齢化の影響で大きな伸びは見込めない。一方、女性の社会進出や高齢化を背景に、弁当や惣菜などの「中食」の市場規模が拡大していくと予想される。そこで、同社はコンビニエンスストアの惣菜工場や給食センターで使われる過熱水蒸気調理機やフライヤーなどの生産機種の拡大を計画。その一環として、横河電子機器㈱から厨房機器事業(業務用食器洗浄機)を2015年4月1日付けで譲り受け、ボックスタイプの洗浄機をラインナップに加えた。
こうした中で、同社唯一の生産拠点である奈良工場は、学校給食施設の統廃合や見直しなどで、2015年からフル生産が続いている。製品ラインナップの増加にともない、生産能力も限界にきていた。そこで、2カ所目の生産拠点となる群馬工場を建設、生産効率を改善するとともに、中食向けベンダーの投資需要の取り込みを考えている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 中西製作所
- 代表取締役社長
- 中西 昭夫
- 奈良工場
- 奈良県大和郡山市今国府町6-3
- 電話
- 0743-56-6200
- 設立
- 1958年
- 従業員数
- 440名
- 主要事業
- 学校・病院・事業所・商業施設の業務用厨房機器の製造、販売
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