特集

工作機械業界では工程統合マシンが必需品

ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現

工作機械向け制御盤ボックス・カバーが主力

カネトヨ 株式会社

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画像:ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現①2016年9月に導入されたファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ+ASR-3015NTK/②LC-2515C1AJの新型NC装置AMNC 3iによる操作/③AMNC 3iに稼働実績を表示

工作機械関連の仕事を中心に発展

画像:ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現木村均社長(右)と早川雅也専務(左)

カネトヨ㈱は1980年、木村均社長の義父で、現会長の大橋亘氏が創業した。当時は5´×10´対応のパンチングマシンCOMA-557やコーナーシャーCSW-220などの加工設備を保有。COMAは当時、愛知県内の業界でも数台しか導入事例がなく、最新設備を導入した同社に加工依頼や工場見学を要望する企業が多かった。そのなかに現在も主力得意先となっている工作機械メーカーのオークマがあり、同社の設備力を評価したオークマの電装部門との取引がスタート。オークマの自社製NC装置「OSP」の制御盤・操作盤などのボックスの仕事を受注するようになった。

当時、オークマの電装部門でボックスの製造を担当する協力会社は4社あり、同社は協力会社として新たに参入。厳しいQ,C,D要求をクリアし、有力な協力会社へと発展していった。このころから売上に占めるオークマの比率は95%以上になっていた。

1990年以降も工作機械関連の仕事を中心に順調に事業を拡大してきたが、2000年の東海豪雨により、工場近くの新川の堤防が決壊し、胸のあたりまで浸水。大半の設備が水につかってしまい廃業の危機に陥ったが、すぐにパンチングマシンVIPROS-367 Queen、VIPROS-345を導入し、事業を継続。さらに後継者として次女の夫である木村社長に入社を要請し、入社が決まるとすぐ2001年にレーザマシンLC-1212αⅢNTを導入した。

木村社長は当時を振り返って「もともと個人で歯科技工士を開業していましたが、義父から『会社へ入って、ゆくゆくは後継者として会社を盛り立ててほしい』と要請を受けました。板金加工のことは何もわかりませんでしたが、義父の会社にかける情熱に触れ、『歯科技工士も板金加工業もモノづくりにちがいはない。義父が培ってきた会社を自分が受け継ぎ、発展させるのもおもしろい』と考え、入社を決心しました」と語る。

ところが入社間もない2001年、米国で発生した9.11同時多発テロの影響で景気が減速、米国向け工作機械の仕事がすべてストップするなど、工作機械関連はバブル崩壊直後並みに仕事がない期間が半年ほど続き、同社を取り巻く環境は目まぐるしく変化した。

このとき、木村社長は右も左もわからない状態ではあったが、当時、愛知県精密板金工業会の会合などで知り合った周りの社長たちから、新規開拓を積極的に行うよう進言されたり、仕事を紹介してもらったりして奔走した。

「見積りのやり方、営業の仕方などが学べたよい機会でした」と木村社長はポジティブにとらえている。

画像:ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現左:LC-2515C1AJで加工された製品を機外へ搬出するコンベヤーに自社製のシューターを設置(矢印部)/右:ベンディングマシンFBDⅢ-1253NTには追従装置を装備し、大型・長尺のワークに対応

社長就任直後のリーマンショック

さらに2008年9月の社長就任直後、リーマンショックにより、仕事量が激減。毎日従業員に手配するだけの仕事がなく、現場では仕事の取り合いになる場面もあり、苦悩する日々が続いた。

「雇用調整助成金や教育助成金を申請することにし、1日交替で従業員の半数に教育訓練も行いました。書類作成とカリキュラムづくりに明け暮れ、仕事はないのに私だけが猛烈に忙しい時期でしたが、このときの経験は私にとっても従業員にとっても肥やしになりました。機械やCAD/CAMの操作、溶接作業の教育を行い、半年後にはオークマ様のスタッフの方に教育訓練も実施していただきました。このときの取り組みによって多能工がたくさん育ち、今、役に立っていることが多いと感じます」と、木村社長は就任当時のことを振り返りながら話してくれた。

  • 画像:ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現制御盤を構成する部材
  • 画像:ファイバーレーザ複合マシンの導入で30%の生産性改善を実現塗装が終了し出荷を待つ制御盤。月50面製作している

会社情報

会社名
カネトヨ 株式会社
代表取締役
木村 均
住所
愛知県名古屋市西区中小田井4-293
電話
052-503-4488
設立
1980年
従業員数
25名
主要業種
工作機械、産業機械向け制御盤ボックス・カバー、食品機械向けカバー・ホッパー、建築金物、X線検査装置向け板金部品など
URL
http://www.kanetoyo.co.jp/

つづきは本誌2017年3月号でご購読下さい。

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