「ファイバーレーザ溶接フォーラム」 ― パネルディスカッション
高付加価値な溶接で小ロット品にも対応するファイバーレーザ溶接
歪み・外観・コスト・強度・リードタイム ― どれをとってもTIG溶接より高いパフォーマンス
アマダは2019年11月16日、アマダ・ソリューションセンター(神奈川県伊勢原市)で「ファイバーレーザ溶接フォーラム」を開催した。すでにファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISを導入している板金企業5社をパネラーとして招き、導入を検討している企業が疑問に思うテーマについてパネルディスカッションを行った。
パネラーは、㈱コスミック(千葉県八街市)・齋藤聡社長、㈱高村興業所(広島県廿日市市)・髙村隆晴社長、新日本鋼機㈱(大阪府八尾市)・今村一義専務、三条精密工業㈱(新潟県三条市)・丸山正晴専務、細谷精機㈱(神奈川県横浜市)・阿部詞男社長の5人。司会・進行は小誌編集主幹の石川紀夫(マシニスト出版㈱・代表取締役)が務めた。
聴講者は22社・40名となった。パネルディスカッション終了後は活発な質疑応答が行われた。また、第2部ではFLW-ENSISのデモ加工と、パネラー各社が用意した溶接サンプル製品のポイント解説が行われ、聴講者で賑わった。
以下、パネルディスカッションの内容を一部紹介する。
ロボットかハンディか ― ロボットを選んだ理由
― ファイバーレーザ溶接機には、ロボットタイプとハンディタイプの2種類があります。なぜ、ロボットタイプのFLW-ENSISを導入したのでしょうか。
㈱コスミック・齋藤聡社長(以下、姓のみ) 導入にあたり、ハンディとロボットの両方を検討しました。ロボットはティーチングが必要で、慣れるまでは手間も時間もかかります。ハンディを先に導入する、あるいはロボットと一緒にハンディも導入すると、社員が面倒くさがってロボットを使ってくれないと考えました。
また、ブランク工程にはタレパンの無人化ライン、曲げ工程にはベンディングロボットを導入しているので、溶接工程にもロボットタイプのFLW-ENSISを導入して、社員のモチベーションをアップしつつ、工場全体で自動化を実現したいと考えました。
三条精密工業㈱・丸山正晴専務(以下、姓のみ) 当社も人手不足が課題でした。求人をかけてもなかなか人が集まりませんし、溶接技術を持った人を育てるには時間がかかります。退職してしまうリスクもあります。今後はますます労働力人口が減っていきますから、スキルがある社員にしか対応できない属人化した仕事を、スキルのない社員でも担当できるようにしていきたい ― そう考えて、誰でも扱えるロボットタイプを選択しました。
FLW-ENSISを導入して半年くらいは専属の溶接作業者が使っていましたが、2018年末くらいから、女性のパート社員に作業を覚えてもらいました。今では、ハンディもロボットもひとりで操作できるようになりました。
つづきは本誌2020年2月号でご購読下さい。