特集

コスト・調達の見直しが進む工作機械カバー

「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速

工作機械カバーをプラモデル感覚でつくる

有限会社 吉見鈑金製作所

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画像:「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速①溶接中のNC旋盤用のクーラントカバー/②クーラントカバーの3次元モデル

安心のデジタル一貫生産を構築

画像:「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速吉見昌高社長

㈲吉見鈑金製作所は、多品種少量・変種変量生産に対応したデジタル一貫生産体制を構築 ― ①受注から手配、出荷までを一元管理、②立体姿図を利用したまちがいのないモノづくり、③社内ネットワークの構築による工程の“見える化”、④頭脳展開を外段取り化して工数削減を実現 ― などにより、「お客さまとともに成長できる企業」を目指している。

立体姿図を活用し、図面から完成までに何が必要なのか判断。作業指示書はいわば設計図であり、取扱説明書。経験にかかわらず、どの社員に対しても製造方法・情報を水平展開し、「プラモデルをつくるような感覚でのモノづくりに挑戦」、手戻りのないノンストップ生産を実現した。

現場では、新規製品もリピート品と同じ感覚でモノづくりができるか考え、作業者はタブレット端末で進捗管理や品質管理を行っている。

  • 画像:「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速EML-3510NTP+AS-48RM(手前)とレーザマシンFO-MⅡ 3015NT+LST-3015FMⅡ(奥)
  • 画像:「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速自動金型交換装置付きのベンディングマシンHG-1003ATCによる曲げ加工

工作機械カバーが売上の半分を占める

同社は、吉見昌高社長の父である吉見昌弘会長が1988年に設立。県内の工作機械メーカーから受注するカバー・部品の製作を中心に、新規品や多品種少量生産へ対応。設計から加工・溶接・塗装・組立・シルク印刷までの一貫生産を強みに発展してきた。

1996年、24歳で同社に入社した吉見社長は、2006年に専務に就任すると、受注の平準化とリスク分散を行うため、医療機器・半導体製造装置・鉄道車両・農業機械・太陽光発電システムなどの新規分野開拓に取り組んだ。

2012年、40歳になった吉見社長が2代目社長に就任した時点で、得意先社数は120社に倍増。売上も2倍以上に増え、従業員数も56名(外国人技能実習生7名含む)を抱える長野県内でも有力な板金加工企業に発展した。

現在は、売上の半分を占める工作機械カバー関連の仕事が絶好調。県内企業のNC旋盤向けのクーラントカバーに加え、国内トップメーカー数社からオファーが入り、そのうちの1社からは大型マシニングセンタを中心としたスプラッシュガード、オイルパン、クーラントカバーなどを受注している。

ほかにも数社からオファーをいただいていますが、現場が手一杯の状況なので、待っていただいているのが実情です」と吉見社長は語る。

工作機械メーカーからオファーが集まるのには理由がある。それは同社の設備力。10年前に導入したパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTP+AS-48RMはつかみ換えなし、4´×8´の大板からブランク、成形、タップ加工ができる。さらに2年前に導入した自動金型交換装置を備えたベンディングマシンHG-1003ATCは、ロットは多くても5個、大半は1~2個という多品種少量のカバー生産にタイムリーに対応できている。

とくに、Webサイトで保有設備や対応力を訴求していることから、Webを通じて引合いがかかるケースも多いという。

画像:「YOSHIMI IoT System」構築でデジタル板金を加速左:タブレット端末から図面情報を呼び出し、確認する溶接作業者/右:400Wファイバーレーザ発振器を搭載した微細レーザ加工システムを操作する女性作業者

会社情報

会社名
有限会社 吉見鈑金製作所
代表取締役
吉見 昌高
住所
長野県上田市小泉346-1
電話
0268-27-7647
設立
1988年
従業員数
56名
主要製品
工作機械・環境機器・医療機器・農業機器・鉄道車両・制御盤・半導体製造装置・射出成形機などのカバー・機構部品
URL
http://www.yoshimi-b.co.jp/

つづきは本誌2018年11月号でご購読下さい。

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