サニタリー設計に対応する食品機械の板金加工
食品、医薬製剤業界に強い板金サプライヤー
WILL、IP進捗キット、vLot Managerでモノづくりプロセスの可視化を目指す
株式会社 ファイネス
①㈱ファイネスが設計・加工・組立・配線まで行ったコーヒー抽出機/②コーヒー抽出機の3次元モデル
2000年設立の成長企業
金杉賢治社長
金杉賢治社長は板金工場を営む一家の三男として生まれ、溶接を得意としていた。1998年に独立し、「金杉精密」をみずから創業、2000年に㈲ファイネスに社名変更するとともに法人化し、埼玉県入間市に工場移転した。2002年にはレーザマシンLC-1212αⅢNTを導入して板金加工に取り組んだ。
「ものづくりの可能性に挑み続ける!」を経営理念に掲げ、今では社員数45人、ステンレス加工をメインとする精密板金加工から、機械加工、粉体・液体容器の製造、包装機械・食品機械の製造・組立までを一貫で行っている。
「ファイネス(finesse)には『手ぎわの良さ』や『巧みな』『技工』などの意味があります。世界中の人々にファイネスのより良い製品をお届けし、喜んでいただきたい」と、金杉社長は社名に込めた想いを述べている。
左:レーザマシンFO-MⅡ 2412NT+LST-2412FMⅡ/右:EG-6013による曲げ加工
加工~組立の一貫生産体制を構築
「1998年の創業後しばらくして、医療機器向けのアルミ製の薄板カバーの溶接を受注、歪みの少ない製品を納入し、お客さまに高い評価をいただきました。半導体検査装置のパーツの仕事では、寝る間を惜しんで溶接をしました」と金杉社長は振り返る。
2000年に150坪の貸し工場へ移転し、2002年にはレーザマシンLC-1212αⅢNT、ベンディングマシンFBDⅢ-1025NT、2次元CAD/CAM AP100を導入して、切断加工と曲げ加工を取り込み、社員数も増えた。事業の安定化を図るためステンレス・アルミを使う医薬製剤機械、食品機械、紙オムツの包装機械といった新分野を開拓。ユニット単位で組立まで対応することで、付加価値を改善していった。
2008年には入間市内狭山ケ原に200坪の工場を取得し、超音波洗浄槽、ヘリウムリークディテクター、乾燥炉なども導入した。そしてリーマンショックで景気が落ち込んだ2009年に、自社製品として磁力選別機と異物除去装置を開発、製造販売を開始した。
景気が徐々に回復するなか、金杉社長は景気の影響を受けにくい「食」にかかわる包装機械、搬送装置関連へも営業をかけた。次第に受注量が増え、組立スペースが不足してきたことから、2010年に第2工場(組立)を立ち上げた。2011年には機械加工設備を導入して、第2工場の隣地に第3工場(機械加工)を立ち上げた。
2014年には現在地に2,000坪の土地を取得、第1工場(板金加工)、第2工場(組立)、第3工場(機械加工)の3棟を敷地内に建設し、2015年1月に竣工した。
左:WILLの「IP進捗キット」を導入。iPod touchのカメラ機能で作業指示書のバーコードを読み取り、着手完了情報を登録/右:WILLに登録された工程納期から作成したガントチャート
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ファイネス
- 代表取締役
- 金杉 賢治
- 住所
- 埼玉県飯能市茜台3-5-4
- 電話
- 042-978-7406
- 設立
- 2000年
- 従業員数
- 45名
- 事業内容
- ステンレス加工をメインとする精密板金加工、粉体・液体容器製作医療食品機械の製作組立
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