コインランドリー機器、卓上型真空包装機のトップシェア企業
2交代での生産体制に貢献するHG-ATCとEG-AR
株式会社 TOSEI
日本初のコイン式全自動洗濯乾燥機を開発
㈱TOSEIは1950年に東京電気㈱(当時:東芝大仁工場)の協力工場、沢村製作所として創業。1955年、東静電気㈱と社名変更した。1958年から業務用「クリーニング機械(襟カフスプレス機)」、1985年に卓上型「真空包装機(V-400)」、2001年に日本で初めて「コイン式全自動洗濯乾燥機(SK-120C、SK-220C)」を開発、製造・販売を開始した。
主力事業であるコインランドリー事業では、同社調べで国内コインランドリー機器のシェア40%、真空包装機も卓上タイプでシェア60%を持つ。コロナ禍でも順調に業績を伸ばしており、特に真空包装機は食品の長期保存・廃棄ロスの削減に貢献するのみならず、「第4の調理法」と呼ばれる低温調理にも用いられているため、注目を集めている。
また、ネット販売による需要が増えたことで、衣料品の輸送が拡大。かさばる衣料品を真空包装機で圧縮することで輸送コストを削減、衛生面の改善にもつながることから収容スペースを広げ、大きな寝具や衣料品を包装できるようにした大型の真空包装機を開発、前年同期比大幅増となった。
「コインランドリーは暮らしのハブになる」
一方で、コインランドリー事業はオーナー探しから開業・営業のサポートという市場開拓に時間をかける必要がある。国内のコインランドリーの数は約2万5,000店舗と推計されており、店舗数で見ればコンビニのおよそ1/3に匹敵する。
最近新設されたコインランドリーの店内にはテーブルと椅子、無料Wi-Fiやドリンクコーナーを設けているところも珍しくない。カフェやコンビニ、コインパーキング、ガソリンスタンドなどを併設した複合店舗も目立つようになり、かつての暗いイメージはない。共働き世帯が増えたことにより、家事を時短するためにコインランドリーを利用する世代が増え“楽しみながら洗濯と乾燥をする場所”に変わりつつある。
ランドリー空間を清潔に保ち、快適に過ごせるように工夫して“待つだけの時間”を“有益な時間”に転換させることが必要と考えた同社は「コインランドリーは暮らしのハブになる」というコンセプトを掲げ、2018年から新たな付加価値としてパナソニックの「ナノイー」搭載モデルの出荷を開始、利用客やコインランドリーのオーナーから好評だ。
2021年4月には小田急不動産が同社の設備を採用したコインランドリー「Odakyu Laundry」を東京都世田谷区経堂にオープン。6台分のコインパーキングを併設した都市型コインランドリーで、今後も小田急沿線での開店を計画しているという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 TOSEI
- 代表取締役
- 谷嶋 和夫
- 本社
- 東京都品川区東五反田1-24-2
- 静岡事業所
- 静岡県伊豆の国市中島244
- 電話
- 0558-76-2270(静岡事業所)
- 設立
- 1950年
- 従業員数
- 336名
- 主要事業
- 業務用クリーニング機器および真空包装機の製造・販売
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