技能検定制度を生かしたエキスパート人材育成の取り組み
「技能検定は社員教育の背骨」
鋼板・鋼材の販売から加工、スクラップ回収までのワンストップソリューションを提供
株式会社 キヨシゲ
「社長の仕事は人を育てることが8割」
「社長の仕事は人を育てることが8割だと私は考えます。トップセールスで営業したり、技術者として開発したり、職人としてものづくりをしたり ― 会社によって社長の役割はさまざまですが、私にとっては人を育てること、次代を担う人材を育てることが最も大きい役割だと思っています」と小林光德社長は語る。
小林社長は2006年に2代目社長に就任して以降、さまざまなかたちで組織改革と人材育成に取り組んできた。中でも「当社にとって社員教育の背骨」(小林社長)と位置づける「技能検定」については、今日にいたるまで、めざましい成果をあげてきた。
2006年から2021年までの16年間で、「工場板金技能士」(機械板金作業・数値制御タレットパンチプレス板金作業)の特級・1級・2級の合格者は延べ52名。これは千葉県全体の合格者数の26% ― 約1/4に相当し、毎年3.3名が資格を取得していることになる。社員が自発的に資格取得を目指す環境、全社を挙げて受検者をサポートする体制が整えられており、合格率も平均を大きく上まわっている。
“鐵”の入口から出口まで、ワンストップソリューションを提供
㈱キヨシゲは、千葉県浦安市を中心に国内6カ所、ベトナム1カ所に拠点を持ち、「鋼板・鋼材の販売」「鋼板・鋼材の加工」「スクラップの回収」の3つの事業を展開している。「一途に鐵、一途にお客樣」をスローガンに、“鋼材流通加工サービス業”として、“鐵(てつ)”の入口から出口までのワンストップソリューションを提供できるのが最大の特徴だ。
1960年の創業当初は、プレス工場からのスクラップ回収業としてスタート。その後、シャーリングで加工した切板の鋼板販売を手がけるようになった。さらに、顧客の要望に応えるかたちでプレス加工、板金加工、形鋼加工、機械加工、溶接製缶と、2次加工の対応力を順次強化していった。
浦安鉄鋼団地には主要4拠点が集い、「本社第一工場」ではシャーリングによる切板の加工、「本社第二工場」ではユニットワーカーやオートドリルソーによる形鋼の加工を主に手がけ、「本社第三工場」は素材倉庫、「加工センター」で板金加工を行っている。このほかにプレス加工を手がける「市川工場」(千葉県市川市)と、「北関東営業所」(群馬県伊勢崎市)がある。
2017年に設立したベトナムの現地法人「KIYOSHIGE VIETNAM CO., LTD」(ベトナム略称「KIVC」)では、同社に勤務していたベトナム人技能実習生のOBを雇用し、CADセンターとして機能している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 キヨシゲ
- 代表取締役社長
- 小林 光德
- 所在地
- 千葉県浦安市鉄鋼通り2-4-3
- 電話
- 047-351-7201
- 設立
- 1970年(1960年創業)
- 従業員数
- 110名
- 主要事業
- 鋼板・鋼材販売/鋼板・鋼材加工(プレス加工・板金加工・形鋼加工・機械加工・溶接)/スクラップ回収
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