Interview

Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用

5G向け半導体製造装置、データセンター向け通信機器に期待

株式会社マキノ 代表取締役社長 牧野 拳一郎 氏

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画像:Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用牧野拳一郎氏

㈱マキノは1969年に東京都府中市で創業して以来、三多摩地区に集中する大手電機メーカーを主な得意先とし、通信機器や無線応用機器などの弱電機器、半導体・FPD製造装置関連の精密試作板金を中心に展開。企業理念である「すべてはお客様のために」を実現するため、「即日板金」(超短納期)に対応する企業づくりを行ってきた。

2006年12月には、東京都町田市に最先端のデジタル板金工場(町田工場)を開設。材料自動倉庫HYPER MARS(12段×18列=216棚)を中核に据え、ブランク工程は24時間×365日、フル稼働している。

また、生産管理システムWILLをフル活用し、ものづくりプロセスと在庫のデジタル管理を徹底。2015年には現場スタッフ用のモバイル端末としてiPod touchを利用する「IP進捗」をいち早く導入し、正確な進捗管理・納期管理を行っている。

2018年には町田工場から徒歩3分の場所に自動搬送機能を備えた物流倉庫「マキノパーツセンター」(MPC)を開設。在庫管理の集約化と出荷作業の平準化により全体最適がはかられ、工場全体の生産性が劇的に向上している。

独自の進化を続ける㈱マキノの牧野拳一郎社長に、コロナ禍への対応と現在の取り組みについて話を聞いた。

米大統領選が転換点 ― 5G向け半導体、データセンター向け通信機器に期待

― 新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大により、中小製造業の間でも影響が出ています。御社の事業に影響はありませんか。

牧野拳一郎社長(以下、姓のみ) 今のところ、新型コロナによる直接的な影響はほとんどありません。

当社がメインで手がけている半導体製造装置関連の場合、新型コロナよりも米中貿易摩擦の影響を強く受けています。2019年3月から米中の摩擦が激化し、受注・売上は大きく減少しました。現在は回復傾向にありますが、今年11月に予定されている米大統領選が終わるまで、本格的な回復には至らないのではないかと思います。

新型コロナの影響は、今後出てくる可能性があります。半導体製造装置のエンドユーザーは、多くが中国の半導体メーカーやファウンドリです。新型コロナの影響で、エンドユーザーの工場に装置を設置する工程が滞っています。日本・中国間の人の移動が正常化しないと、装置メーカーのお客さまも生産調整に踏み切る可能性は高いと思います。

人の動きが正常化してサプライチェーンがスムーズに流れるようになり、米大統領選が終わって米中貿易摩擦がやわらげば、今後は5Gに関連した半導体・通信機器の需要が堅調に推移し、本格的な回復につながると思います。

また、新たに医療機器のお客さまと取引開始を予定していましたが、コロナ禍で4カ月ほど停滞しています。最近やっと営業活動を再開したところで、口座開設へ向け、準備を進めています。

  • 画像:Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用ファイバーレーザマシンFLC-3015AJ+ASFH-3015
  • 画像:Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用曲げ工程。自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC(手前)などが並ぶ

“withコロナ”に対応する感染対策

― “withコロナ”や、それを前提とした“ニューノーマル”といった言葉も生まれています。短期的な収束が見込めない中では、感染症と共存するかたちでものづくりも変化に対応していかなければなりませんね。

牧野 当社がクラスターにならないように努力しながら、事業活動を続けていく必要があります。

新型コロナの感染拡大が始まったときは、マスクやアルコールを仕入れて社員一人ひとりに支給しました。一番ひどかった時には、私物のサーモグラフィーカメラを使って社員の体温をチェックしました。

4月からは社員の体調管理や行動記録を行いながら、感染した場合の対応についてもルールづくりをしてきました。今は、営業や設計・プログラムの担当者がリモートワークをできるように、東京都の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」に応募しながら体制を整えているところです。まずは、社員寮の空き室や自宅などからリモートデスクトップアプリを使って社内のPCを操作するかたちになると思います。

  • 画像:Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用ファイバーレーザ溶接システムFLW-4000。ステンレスなどの高品位な溶接に対応する
  • 画像:Web・ロボット・AI、先端デジタル技術をフル活用iPod touchのカメラで作業指示書のバーコードを読み込み、着手・完了情報を登録する

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会社情報

会社名
株式会社 マキノ
代表取締役社長
牧野 拳一郎
所在地
東京都町田市小山ヶ丘3-10(町田工場)
電話
042-798-5611
設立
1969年
従業員数
43名(パート・外国人技能実習生含む)
事業内容
半導体製造装置関連部品・通信機器間連部品などの精密板金部品/曲げ特殊金型の製作販売
URL
http://www.kk-makino.co.jp/

つづきは本誌2020年8月号でご購読下さい。

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