特集

強みを活かし成長する板金企業

3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる

3次元レーザマシン導入と優秀な人材の採用でさらなる飛躍

光陽電機 株式会社

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画像:3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる①組立が完了した配電盤/②2020年3月に導入した3次元レーザマシンLC-3015θⅢ+LST-3015θ

カスタム盤の一貫生産体制が強み

画像:3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる中道弘久社長

光陽電機㈱は1984年、中道弘久社長によって電気器具製造企業として設立された。主力製品は低圧配電盤で、設計・製造から完成品の検査までの一貫生産体制を強みとしている。中でも、大手盤メーカーの営業部門からの依頼で、標準盤の筐体をベースに一部追加工を行うカスタム盤の仕事が、売上の60%を占めている。

中道社長は「当社は常にお客さまの立場に立ち、ご満足いただける製品の品質を追求しています。おかげさまで品質面で高い信頼をいただき、四日市の化学コンビナート工場をはじめ、県内製造業の多くのお客さまにご愛顧いただいています」。

「配電盤とは少々異なりますが、県内の工作機械メーカー、木工機械メーカー向けの機械制御盤や、最近ではスプラッシュガードやオイルパンなど、幅広い仕事を受注しています。三重県内には設計から加工、塗装、組立配線、検査までを一貫して行う盤業者が少ないこともあって、きめ細かな対応をさせていただいています」。

「大手盤メーカーの営業部門から受注する仕事が徐々に増え、今では売上の60%を占めるまでになりました。お客さまの要望が多様化・高度化していく中、標準盤では対応できない要素が増えています。そのため、2020年3月に3次元レーザマシンLC-3015θⅢを専用の3次元CAD/CAMとともに導入し、大手盤メーカーで塗装まで完了している盤筐体に、メーターボックスや各種スイッチの取り付け位置を追加工する仕事などを行っています」という。

  • 画像:3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで作成した配電盤の3次元モデル
  • 画像:3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる曲げ工程

大手盤メーカーから標準盤の追加工を受注

大手盤メーカーから受注する追加工の仕事は、以前は発注元の主力工場に3次元レーザマシンが複数台導入されていて、要望が入るたびに半成り状態の標準盤の筐体を追加工していた。盤へのカスタマイズ要求が増える中、3次元レーザマシンで対応しているだけでは作業効率が上がらず、その都度加工データをつくり直して対応するため、工数もかかっていたという。

そこで営業部門が受注してくるカスタマイズ対応は、設計段階から一品対応に切り替え、多品種少量生産で対応することも検討されている。それでもすべてが切り替えられるわけではないため、従来どおり標準盤の筐体を3次元レーザマシンで追加工する手法も踏襲している。しかし、社内工数も手いっぱいなため、各営業所が受注した案件のカスタマイズ加工をともなう盤製作は、光陽電機へ営業所単位で発注するようになってきたという。

光陽電機は以前から、この大手盤メーカーから標準盤をカスタマイズする追加工の仕事を受注しており、長年の継続取引の中でメーカーからの信頼も厚かった。注文は資材部からではなく営業部門からという、珍しい受注形態となっている。

制御盤を含め、自社で製作する盤は月間で平均40面、追加工するカスタム盤は約50面となっている。

画像:3次元データからのものづくりで仕事の幅を広げる左:YAGレーザ溶接ロボットYLR-1500Ⅲ/右:配電盤の配線組立の作業場

会社情報

会社名
光陽電機 株式会社
代表取締役
中道 弘久
所在地
三重県松阪市上川町2739-2
電話
0598-61-1130
設立
1984年
従業員数
16名
主要製品
低圧配電盤、分電盤、自動制御盤、電子応用制御装置、各種ボックス・ダクトの設計・製造・検査・納入
URL
http://www.koyo-ec.co.jp/

つづきは本誌2021年4月号でご購読下さい。

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