生産性向上に貢献するVENTIS-AJ
VENTIS-AJの導入でステンレス加工時間が2/5に短縮
「必要な設備への投資は惜しむべきではない」
株式会社 光栄テクニカ
試作から小ロット生産まで幅広い仕事を受注
滋賀県は海のない内陸工業県でありながら、県内総生産に占める第2次産業の割合は47.5%、県内総生産に占める製造業の割合は43.2%と、いずれも全国1位。加えて1事業所あたりの付加価値額は10億8,636万円、従業者1人あたりの付加価値額は1,782万円と、全国2位になっており、全国でも有数のものづくりがさかんな地域となっている。
㈱光栄テクニカは、そんな滋賀県で約半世紀にわたり事業を続けてきた。1973年2月に中村泰弘会長、中村忠夫社長の父親が光栄機工所として個人創業、同年5月に㈲光栄機工所として法人化した。創業当時は資金もなく、みずからの手で工場を建てるところからスタートした。今も使われている第1工場の骨組みは、先代がクレーンも使わず組み立てたという。
1985年、同社にとって大きな転機が訪れた。国内でもまだ納入台数が少なかった最先端のレーザマシンを、当時の年商以上の金額で導入した。そして、この設備投資をムダにしてはいけないという思いから、中村会長、中村社長の兄弟が父親の仕事を手伝うようになり、新しい仕事にチャレンジしていった。結果として、このレーザマシンが仕事の幅を広げ、滋賀・京都の150社以上の企業から、試作板金や、小ロット部品の抜き・曲げの仕事を受注していった。
1991年に㈱光栄テクニカに社名を変更、精密板金加工による試作から小ロット生産までの幅広い仕事をこなすようになった。
人が支える“伎(わざ)”を大切に
「必要な設備への投資は惜しむべきではない」という創業者の考えから、マシンやCAD/CAM、ネットワークなど、板金のものづくりに関わる必要な設備は、同業他社に先駆けていち早く導入していった。
中村会長と中村社長は形状、材質、板厚、品質・精度が要求される板金製品をさまざまな加工条件のもとで、スピーディーかつ高精度に加工する ― という考えを先代から継承している。
「『光栄テクニカにお願いしたい!』と、当社を信頼して仕事を発注してくださるお客さまが多いので、できる限りその期待に応え、お客さまに満足していただけるものづくりに取り組んできました。新しいことに挑戦することは職人の技術力向上につながりますし、工夫しながら完成させたときにはなんともいえない達成感が味わえます」。
「当社では、“技”ではなく、“伎(わざ)”という漢字をあえて使っています。技術とはまさに“伎” ― “人”が“支”えるものだという考えを大切にしています。ものづくりの現場では、加工設備は道具でありサポート役、あくまでも主体は“人”であるという考えを原点にしています」(中村会長、中村社長)。
こうした考えに基づき、同社は毎年、本社工場を技能検定の実技試験会場として提供し、中村会長は試験当日に主任検定委員として参加、技能検定に取り組む受検者にきびしくもあたたかい眼差しを注いでいる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 光栄テクニカ
- 代表取締役会長
- 中村 泰弘
- 取締役社長
- 中村 忠夫
- 所在地
- 滋賀県栗東市苅原134
- 電話
- 077-552-1700
- 設立
- 1973年
- 従業員数
- 15名
- 主要業種
- 精密板金加工および試作
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