ENSIS-AJ 導入事例

医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍

レーザTK導入で工数削減と効率アップを実現

キヤノンメディカルシステムズ 株式会社

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画像:医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍ENSIS-AJとセットで導入したレーザマシン用テイクアウトローダー(レーザTK)TK-3015L(奥)と、レーザTKにより仕分けされた製品(手前)

キヤノングループのメディカル事業の中核

2018年1月に社名変更し、キヤノンメディカルシステムズ㈱(以下、キヤノンメディカル)となった同社は、X線診断装置、CT、MRI、超音波診断装置などの医用画像診断装置を中心に事業展開。世界150カ国以上の国や地域に高品位で信頼性のある製品やサービスを提供している。

2016年12月にキヤノングループの一員となった同社は、キヤノンの事業転換の重要戦略と位置づけられるメディカル事業強化・拡大をはかるための中核として、成長が期待されている。キヤノンメディカルはさらなる事業の発展を目指し、「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そして、ともに歩むために)の経営スローガンのもと、臨床的有用性はもとより、患者さんに優しい医療システム・サービスを提供することで、医療に貢献することを目指している。

2018年12月期のキヤノン㈱の決算資料によると、メディカル事業の売上高は4,362億円となっている。

  • 画像:医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍キヤノンメディカルシステムズの320列CT「Aquilion ONE/GENESIS Edition」
  • 画像:医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍フォーク式パレットチェンジャーASFH-3015Gとレーザマシン用テイクアウトローダーTK-3015L付きで導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ

画像:医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍ENSIS-AJのNC端末AMNC 3iに表示した稼働実績のグラフ。実稼働率は平均70%台と高い

メカ部品の社内生産比率アップを目指す

同社はX線診断装置、CT、MRI、超音波診断装置、核医学検査装置などを含む医用画像診断装置の国内トップメーカー。画像診断装置以外にも放射線治療装置、検体検査装置、さらにこれらの医療機器とも連携する病院情報システム、画像保存システムなどをラインアップしている。

栃木県大田原市にある本社工場をマザー工場とし、中国・大連とブラジル・サンパウロ州、マレーシア・ベナンの海外3拠点でも製造を行っている。本社工場では医用画像診断装置のミドルからハイエンドの製品を製造しており、装置に使用するメカ部品の加工・組立を行っている。

SCM統括部共通部品製造部で製造する板金加工部品は、内製化率を高めるため以前から社内生産の強化に取り組んでいる。社内生産するユニットはコア部品・重要部品、それに制御盤筐体のような輸送効率の良くないものが多い。特にCT・MRIなどの画像診断装置は、内部部品の加工精度が画像に影響を与えかねないため、板金部品にも高品質なものづくりが求められる。

板金部品の生産に際しては、まず設計部が3次元CAD Creoで3次元製品モデルを作成する。共通部品製造部に板金加工部品の生産手配がかかると、社内ネットワークを通じて3次元データを受け取り、3次元ソリッド板金CAD SheetWorksで開く。次に個別部品にバラシ・展開を行った後、板金エンジニアリングシステムVPSS 3iでCAM割付・ネスティングなどの作業を行い、ブランク工程・曲げ工程へとつなげていく。

材質はSPCC・SECCなどの鉄系材料が90%超を占め、そのほかはアルミ・銅など。板厚は0.8~9.0㎜。板厚3.2㎜以下の薄板はパンチングマシンEMK-3510NT+ASR-48Mで加工し、それ以上の板厚はレーザ加工で対応する場合が多い。

画像:医用画像診断装置の部品加工にENSIS-AJが活躍左:曲げ工程を強化するために導入した自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC/右:曲げ加工後の製品もキット単位で台車に積載し、溶接工程の作業者が引き取りに来る

会社情報

会社名
キヤノンメディカルシステムズ 株式会社
代表取締役社長
瀧口 登志夫
住所
栃木県大田原市下石上1385
電話
0287-26-6211
設立
1948年(1930年創業)
従業員数
5,087名(2018年12月)
事業内容
医療用機器(X線診断システム・CTシステム・MRIシステム・超音波診断システム・放射線治療装置・核医学診断システム・検体検査システム・ヘルスケアITソリューション)などの開発・製造・販売・技術サービス
URL
https://jp.medical.canon/

つづきは本誌2020年1月号でご購読下さい。

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