特集

「ものづくり補助金」の活用で企業体質改善

大型建築物向け建築内外装パネルが主力

ファイバーレーザ複合マシンが品質向上・内製化に貢献

株式会社 ミヤコー

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画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力①2016年度補正「ものづくり補助金」を活用して2017年に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJ。レーザ加工の内製化と品質向上に貢献している/②同社が加工を手がけた内装パネル(バスタ新宿)/③R形状のパネルを組み合わせた外装(中村屋の「中華まんミュージアム」)

大型建築物向け建築内外装パネルが主力

画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力代表取締役社長の宮沢正二氏

首都圏の大型建築物などに用いられる建築内外装パネルを主力製品として手がける㈱ミヤコー。1962年に鉄工所として創業し、1980年代から建築内外装パネルの製造をスタート。主力得意先である県内の建設会社へ向けてOEM生産を行い、全国の建築物件に内外装パネルや各種建築用金属製品を供給していった。

2000年代に入り、主力得意先の商社が建築分野の事業縮小を段階的に進めていった。売上全体の70~80%を占めていた得意先の事業縮小にともなって経営環境が厳しさを増すなかで、宮沢正二社長は県外 ― とくに首都圏での得意先開拓に乗り出した。

当初は飛び込み営業同然で苦しい時期もあったが、図面作成から加工、塗装まで一貫で行えることが強みとなり、建築施工や建築資材を取り扱う上場企業や、それに準ずる優良顧客を獲得。今では商業施設や官公庁施設、駅舎をはじめとした大型物件向けの内外装パネルの仕事を安定的に受注できるまでになった。東京スカイツリー、虎ノ門ヒルズ、バスタ新宿、豊洲市場、GINZA SIX、渋谷駅といった著名な物件にも同社の製品が使われている。

  • 画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力長さ4mに対応するベンディングマシンHG-1704
  • 画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力塗装を行ったデザインパネル。自由形状の加工にレーザ加工が活躍している

自社ブランドの塗装パネル、緊急用貯水装置も展開

現在の主力得意先は20社前後。いずれも名だたる大手建設会社や建築資材商社だ。

宮沢正二社長は「お客さまに恵まれて、財務基盤も営業基盤も安定してきました。2000年代の首都圏でなんとか仕事を確保しなくてはいけなかった時期からは信じられないような世界的企業からも引合いをいただけるようになりました。不安定だった時期に当社を信用して取引していただけたお客さまには、感謝しかありません」と語る。

近年は、2017年に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJを活用し、平面のパネルにさまざまな模様を施すデザインパネルや、免震構造の建築物に用いられる免震エキスパンション関連部品なども手がけるようになり、多様化する顧客ニーズに対応している。

さらに、自社ブランド製品として、2014年から金属焼付塗装パネル「ミューウォール」シリーズ、2017年から緊急用直結式飲料貯水装置「水蔵」(みずのくら)を展開している。

「ミューウォール」は3種類をラインナップ。なかでも極めて高い耐候性・耐食性・耐薬品性・防汚性を持つ高付加価値パネル「ミューウォールPX」(重防食塗装パネル)に重点を置きながら、顧客に提案している。

「水蔵」は、地震や渇水などの非常時・災害時に飲料水・生活用水を確保するための貯水装置。500リットル、180リットル、85リットル、45リットルの4種類があり(連結することでさらに大容量化が可能)、水道管に直結することで水道水がタンク内を循環し、常に新鮮な水が充填される特殊構造となっている。地震などの自然災害が頻発するなか、地元・飯田市を皮切りに、全国の自治体・公共施設へ向けた販路拡大に乗り出そうとしている。

  • 画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力自社ブランド製品「ミューウォール」をはじめとする建築内外装用塗装・処理パネルのサンプル。上のオブジェは宮沢社長が製作した
  • 画像:大型建築物向け建築内外装パネルが主力2017年から自社ブランド製品として展開している緊急用直結式飲料貯水装置「水蔵」

会社情報

会社名
株式会社 ミヤコー
代表取締役社長
宮沢 正二
住所
長野県飯田市松尾明7770-1
電話
0265-24-3830
設立
1970年
従業員数
40名
事業内容
金属内外壁材製造/建築用金属製品製造/金属焼付塗装/ステンレス加工/防災機器製造
URL
http://www.miyakoh.jp/

つづきは本誌2019年3月号でご購読下さい。

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