特集

サニタリー設計に対応する食品機械の板金加工

JIS Q 9100の認証を取得、サニタリー製品にも対応

3月に新工場へ移転、ムリ・ムダ・ムラを削減

有限会社 ステンレスアート共栄

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画像:JIS Q 9100の認証を取得、サニタリー製品にも対応①5Sが行き届いた板金工場/②出荷前のフライヤー

構想やイメージをカタチに変える

画像:JIS Q 9100の認証を取得、サニタリー製品にも対応永友義浩社長

㈲ステンレスアート共栄は、デジタル技術を駆使し、課題解決型の精密板金加工を手がけている。3次元設計と構造解析による形状最適化を実現し、素早い量産化をサポートする。創業者である祖父の代から継承してきたバフ研磨技術とともに、最新のマシニングセンタ、ターニングセンタを導入し、製造・組立までのワンストップサービスを提供している。食品分野のサニタリー製品をはじめ、航空分野や、デザイン性・意匠性を重視した製品など、難易度の高い高付加価値な製品づくりも行っている。

1993年に板金加工部門を立ち上げ、2001年に㈲ステンレスアート共栄を設立した永友義浩社長は「開発(デザイン・設計)段階からモノづくりに携わり、お客さまと製品上の課題を共有し、保有する設備を駆使して構想やイメージをカタチに変えるのが当社のビジネス」と語っている。

画像:JIS Q 9100の認証を取得、サニタリー製品にも対応左:㈲ステンレスアート共栄の新本社工場/右:FO-MⅡ RI 3015NT+LST-3015FMⅡ

JIS Q 9100の認証を取得

売上全体の40~50%を占めるのが食品機械関連。そのほかにも包装機械、半導体製造装置、航空機のギャレーやラバトリー関連機器、アミューズメント機器、オフィス什器、建築金物、工作機械カバーなどを受注しており、得意先数は40~50社となっている。

同社は2017年6月に航空宇宙産業向けの品質マネジメントシステムJIS Q 9100の認証を取得した。JIS Q 9100の基本はISO9001と同じだが、航空宇宙・防衛産業における顧客要求事項および規制要求事項を一貫して満たす製品・サービスの提供などが追加されている。

主要な追加要求事項としては、①キー特性についての要求事項、②形態管理についての要求事項、③初回製品検査についての要求事項、④承認事項の変更に対する監督官庁への報告・連絡についての要求事項、⑤設計・開発の検証および妥当性確認の文書化および試験項目についての要求事項、⑥製造に関する文書化・変更管理・設備、工具およびNCプログラム管理についての要求事項、⑦製造に関する組織の施設外で一時的に行う作業の管理についての要求事項、⑧付帯サービスの管理についての要求事項、⑨検査文書についての要求事項 ― などである。

永友社長は「2018年5月には工場移転にともなう再審査とJIS Q 9100の2016年度改定版への移行審査も完了しました。また、認証を取得することで、品質管理に関しては航空宇宙以外の業種にも水平展開し、対応することは十分可能と考えています。当社の売上の半分ちかくを食品機械が占めていますが、航空機のギャレー内で使われるサニタリー製品の品質ガイドラインを満足していれば、サニタリー性が求められる製品については安全・安心が担保されたことになります」とJIS Q 9100認証取得の意義を語る。

画像:JIS Q 9100の認証を取得、サニタリー製品にも対応左:JIS Q 9100の認証を取得したベンディングマシンHDS-2204NT/右:昨年、航空機製造に必要なJIS Q 9100の認証を取得。ギャレー、ラバトリーなどの製品を受注しており、それにともなって溶接・検査工程をはじめJIS Q 9100の認証を取得した工程にはそのことが示され、徹底した品質管理が行われている

会社情報

会社名
有限会社 ステンレスアート共栄
代表取締役
永友 義浩
住所
埼玉県富士見市下南畑3767-15
電話
049-268-1155
設立
2001年
従業員数
37名(正社員27名)
主要製品
ステンレス・鉄・アルミによる板金加工品・フレーム・筐体・点字製品・各種研磨製品の3次元設計・製造
URL
http://www.sa-k.co.jp/

つづきは本誌2018年8月号でご購読下さい。

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