特集

変種変量生産に対応する曲げの自動化

バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指す

ロット5個からの多品種少量生産にベンディングロボット3台で対応

岡田鈑金 株式会社

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画像:バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指す①小物曲げの自動化に対応するEG-6013AR/②入社2年目、20歳の女性オペレータが主力となって、3台のベンディングロボットを運用している/③EG-ARで複雑形状の小物曲げにも対応

精密板金加工・塗装・組立までの自社内一貫生産

画像:バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指す増田武夫社長

岡田鈑金㈱の最大の特徴は、IT・ネットワークと最新鋭設備を駆使することで茨城工場の敷地内に中小製造業が集積する“ミニ大田区”を再現し、設計・開発・板金・プレス・洗浄・シルク印刷・塗装・組立配線までの一貫生産体制を構築したことにある。

1949年から1998年まで東京都大田区蒲田で操業していた同社は、1988年に茨城工場を開設。その後も事業の成長とともに順次拡張していき、竣工当時に敷地面積1,600坪だった茨城工場は現在、敷地面積1万坪、工場建坪4,500坪、従業員数140名にまで拡大している。

2005年以降の10年間で、売上高は約2倍に増加した。売上構成をみると、主力だったアミューズメントマシン関係が減少する一方、ここ5年間は血液分析装置や理化学研究機器の割合が急速に増加するなど、大きく変化している。さらに2015年以降は産業用冷却装置や家庭用蓄電池などの新規得意先を開拓。今後は自社内一貫生産によるワンストップ対応を強化することで、OEM生産にまで対応していこうとしている。

  • 画像:バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指すファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJ+TK(4kW)。ACIES-2512T+TK×2セットなどとともに自動倉庫MARS(10段15列)と連動
  • 画像:バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指す中物・多工程の曲げ加工製品に対応するベンディングロボットシステムASTRO-100NTを2セット運用している

自動化・無人化・ロボット化を徹底追求

同社はこれまで、ITとロボットを活用することで、多品種少量・変種変量生産の自動化に徹底して取り組んできた。

2007年に竣工した400坪のブランク工場の中央には自動倉庫MARS(10段15列)が設置され、その両サイドにはファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJ+TK(4kW)、パンチ・レーザ複合マシン(CO2)ACIES-2512T+TK×2セット、レーザマシンFOL-3015NTの計4セットが設置され、MARSと連動している。

曲げ工程には、EG-6013ARとASTRO-100NT(マニプレーター付き)×2セット、計3セットのベンディングロボットが設備され、リピート製品を中心にロット5個からの曲げ加工の自動化に取り組んでいる。

溶接工程にはFLW-4000M3を2セット導入(1台はシャトルテーブル付き)。ロット10個以上であれば専用治具を内製し、仮付けレスでのロボット溶接に対応している。

アミューズメントマシン関係の仕事が多いプレス工程には、複数台の単発プレスマシンを直列に並べ、プレス間のワークを搬送するロボットラインシステムを導入することで、従来の金型を活かした自動化を実現した。

さらに、塗装工程にも塗装ロボットを導入、今後は台数を増設することで自動化をさらに推進していく考えだ。

画像:バリューシステムを広げ、オンリーワンサプライヤーを目指す左:ファイバーレーザ溶接システムFLWには特注のシャトルテーブルを設置。外段取りで製品のセッティングができる/右:理化学研究機器の組立配線工程でも女性が活躍している

会社情報

会社名
岡田鈑金 株式会社
会長
増田 道造
代表取締役社長
増田 武夫
住所
茨城県小美玉市三箇207-1(茨城工場)
電話
0299-48-2901(茨城工場)
設立
1952年(1923年創業)
従業員数
140名
事業内容
各種産業機器の精密板金製品の一貫生産(板金・プレス・機械加工・塗装・シルク印刷・洗浄・組立・配線)
URL
http://www.oban.co.jp/

つづきは本誌2017年2月号でご購読下さい。

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