特集

レギュレーション対応が課題―医療機器の板金加工

ISO13485は医療機器参入の“手形”になるか

“TNSプロジェクト”で“改革新”に邁進

パイオニア精工 株式会社

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画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるかパンチ・レーザ複合マシンACIES-2512T+ASR-2512NTK

総従業員数200名、年商32億円を目指す

画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるか黒田豊嗣専務(左)と須鑓(すやり)康生製造部長(右)

「白鷺」さながら新装なった世界遺産・姫路城のお膝元、姫路市花田町のパイオニア精工㈱に伺うのは3年ぶり。 3階建てビル3階の応接室で専務取締役の黒田豊嗣氏と製造部部長の須鑓(すやり)康生氏と対面した。3年前と変わりない若々しいおふたりに対面して、会社がまさに若木の勢いがあることを感じた。

今回は昨年開業した鳥取事業所の社員90名を含めると従業員総数が200名に達し、年商も今期32億円を目指す中、医療機器の品質保証のための国際標準規格であるISO13485を取得。医療機器分野の受注拡大を目指す同社の成長戦略について、お聞きした。

画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるかパイオニア精工㈱の鳥取事業所

ISO13485、JIS Q 9100を取得

画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるか“TNSプロジェクト”の一環で、同社で取得しているレギュレーションのポスターや、TNS(Think Next Stage)の標語を掲示している

「1990年に父の黒田昭男が家業の金型製作・プレス加工会社から独立し、両親と兄と私の家族4人で金型加工業をスタート、のちにプレス加工も取り込み、播州地方の大手上場企業に営業をかけ、6年後には現在地に本社工場を設立しました。今は、父は取締役会長として経営の中枢を担い、実兄の黒田純市が社長になって営業や渉外を、私は本社と鳥取事業所の現場を見ています」と黒田専務の話が始まった。

「創業当時は地元の大手企業のATM関連の仕事が80%近くになり、ITバブルやリーマンショックなどを経験して1社依存の怖さを実感しました。そこで多様な業種へ営業をかけ、最初は試作から突破口を開き、当社から最適な工法を提案して認知度を上げていき、徐々に顧客を開拓してきました。昨年は東京営業所を開設、関東方面の受注開拓にも取り組み始めました。現在の主要なお客さまは、①医療機器関連、②ATM・駅務関連機器、③冷凍・冷蔵関連、④電子機器――など。医療機器関連では10年ほど前から検体検査装置メーカーから部品単位でのお仕事をいただいてきましたが、付加価値を高めるためにサブアッシーから製品本体までを組み立てるセットメーカーを目指すとともに、1社依存からの脱却を図っています。医療機器製造の品質保証体制を確立するために、昨年、国際標準規格であるISO13485の認証も取得しました。また、これからの産業として期待される航空宇宙産業への進出を考え、ISO9001をベースに航空宇宙産業特有の要求事項を織り込んで制定された世界標準の品質マネジメント規格JIS Q 9100の認証を取得して、航空宇宙分野の仕事も開拓中です」。

  • 画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるかインスペクションルーム。3次測定器や非接触画像検査装置で測定を行う
  • 画像:ISO13485は医療機器参入の“手形”になるか金型製作用の各種マシニングセンタ

会社情報

会社名
パイオニア精工 株式会社
取締役会長
黒田 昭男
代表取締役社長
黒田 純市
住所
兵庫県姫路市花田町加納原田906
電話
079-253-4105
設立
1990年
従業員数
200名
事業内容
プレス加工全般、プレス金型設計製作、精密板金加工全般、各種治具設計製作、電子部品組立
URL
http://pioneer-seiko.co.jp/

つづきは本誌2015年12月号でご購読下さい。

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