設備力強化は事業発展の絶対条件
自動化・ロボット化で競争力強化
楠精器 株式会社
①ベンディングロボットEG-6013AR+EGROBOT/②楠精器㈱で製造する制御機器部品
積極的に新規開拓 ― フル操業が続く
小林春生会長(右)と小林一裕社長(左)
楠精器㈱は、1951年に神鋼電機㈱(現・シンフォニアテクノロジー㈱)の協力会社として創業。1967年現在地に移転、手仕上げ加工から精密板金加工へと業態を変え、1974年にユニパンチプレスとプレスブレーキを、1978年にはパンチプレスVELAⅡを導入した。1986年には小林春生会長が社長に就任し、1989年に楠精器㈱を設立した。
1990年にパンチ・レーザ複合マシンAPELIOを導入し、2003年と2007年には第2工場と第3工場を取得し工場を拡張、2008年に小林一裕氏が社長に就任した。
シンフォニアテクノロジー三重工場との取引を拡大する一方、新規得意先を開拓。現在では新規開拓した半導体業界向けの仕事を含め、月間に30~40社あまりの得意先から受注するようになった。
小林社長は現在の受注状況について「創業以来のお客さまであるシンフォニアテクノロジー様からの売上は全体の25%前後です。それ以外の主力となるお客さまも含めて、7~8社のお客さまで売上全体の80%を占めています。今年に入ってアミューズメント関連の仕事が特需で入り、フル操業が続いています」。
「毎月の受注アイテム数は2,000~3,000件、そのうち80%がリピート品となっています。平均ロットサイズは10~50個が大半ですが、時にはロット1,000個を特急で受注するようなこともあり、生産計画の改定・見直しが頻発しています。昨年から受注している半導体業界向けの搬送機器の仕事が30%以上増えており、今後も拡大すると考えています」と語っている。
ファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ+ASR-2512NTK
ベンディングマシンHG-5020
ファイバーレーザとベンディング自動化を推進
同社は2015年、ファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ+ASR-2512NTKを導入した。
「LC-C1AJはEMLと比較して、1.2㎜、1.6㎜の薄板であれば5~6倍、3.2㎜であれば2~3倍は速く加工できます。溶融亜鉛メッキ鋼板は切断バリも少なく、500リットルタイプのPSA(窒素ガス発生装置)を同時に導入したため、クリーンカットで高品質な加工ができます。電気代をはじめとしたランニングコストも、EMLと比較すると1/2~1/3に改善しました」と小林社長は評価する。
また、プリンタ関連やスチール家具に使われる部品には、何十、何百というロットのものある。リピート率も高く、人手で対応すると作業者への負担が大きい。なかには6曲げでロットが1,000個を超える製品もあり、これを中4日で加工するためには、1日1,000ショット以上が必要になる。
こうした作業を自動化する狙いもあって、2013年に自動金型交換装置を備えたベンディングロボットシステムASTROⅡ-100NT+HDS-1030NTR+ASTROMP-20を導入した。
ファイバーレーザハンディ溶接機FLW-600MT
同社で製造する制御機器の板金製品
会社情報
- 会社名
- 楠精器 株式会社
- 代表取締役
- 小林 一裕
- 住所
- 三重県鳥羽市船津町榎谷1371-15
- 電話
- 0599-25-3591
- 設立
- 1989年
- 従業員数
- 30名
- 事業内容
- 情報・通信機器、プリンタ部品、半導体向けクリーン搬送機器、自動券売機、貨幣処理機部品、産業用インバータ機器、アミューズメント機器
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