特集

存在感のある北陸の板金・鋼材加工企業

アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展

変化に対応できる「工場力」が強み ― 特注品から量産品までワンストップで対応

株式会社 エリオ

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画像:アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展ファイバーレーザ複合マシンACIES-2515T-AJ+LA-3015NTK+SR-3015NTK+MARS-3015N(9列10段)

間仕切り部品、コンベアなどにワンストップ対応

画像:アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展佐野晃一社長(左)と佐野悌弘専務(右)

㈱エリオは間仕切り部品、コンベアなど搬送装置部品、ユニットバス部品、機械装置部品などに塗装を含めた組立までワンストップ対応する。

同社は佐野晃一社長佐野悌弘専務の祖母が、祖父の勤め先のチェーンメーカーから内職でプレスの仕事を請けたことから始まった。1973年に祖母と先代・佐野久範氏が自宅敷地内の納屋でチェーン組立・加工を開始し、1976年に工場を新築・移転。その後、チェーン業界の不況などもあって業務転換し、1982年に小松市内の間仕切りメーカーから間仕切りの施工の仕事を受注するようになった。

1986年に間仕切り部品の板金加工を始めるため、中古のベンディングマシン、シャーリングマシン、その他各種板金加工設備を導入し、業務内容を板金加工・施工業務に一本化した。1987年に宇谷野工業団地に本社工場を移転、最新設備を導入するとともに社名を「㈱エリオ」として法人化した。

社名変更から事業の多角化を進める

1991年に施工部を分社独立し、「㈱エリオリック」を設立、エリオ本体は板金加工に特化した。1992年には24時間稼働に対応してパンチングマシンPEGA-367+MARSラインを導入した。1993年に「㈱エリオ商事」、1997年に「㈱エリオテクノ」を設立。1999年に第2工場用地を取得するとともに汎用ロールフォーミングマシン、オートプレス+ロールフォーミングラインを導入するなど、設備力を強化した。

また、関連会社の事業を強化し、建具などの取り扱いアイテムを増やしていった。間仕切り、パーテーションの仕事が一時期は売上の90%以上を占めるまでに増加した。

2000年8月に佐野悌弘氏(現専務)、2001年3月に佐野晃一氏(現社長)が入社した。不況に強い企業体質にするため、営業開拓を積極的に進め、ユニットバス部品、コンベア・搬送装置部品、繊維機械部品、建築用・一般金物部品の仕事も行うようになった。2006年にはエリオ商事が、「エリオ総建」に社名を変更した。

2017年に佐野久範氏が代表取締役会長、佐野晃一氏が代表取締役社長、佐野悌弘氏が専務取締役に就任。2018年に㈱エリオが、経済産業省の「地域未来牽引企業」に選ばれた。

画像:アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展左:ファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(9kW)+MPL-3015C+TK-3015L+MARS-3015N(6列10段)/右:ベンディングロボットシステムHG-2204ARm+HGROBOT-80

積極的な設備投資で「工場力」を強化

間仕切りなど「空間づくり」製品のアウトソーサーとして出発した同社だが、現在は板金加工技術を核に、多彩な製品づくりに対応できる企業へと発展した。また、建物の内外装工事の施工力を生かし、建築分野での空間提案・施工サービスなど、新たな事業にも進出してきた。

直近の事業内容はコンベア・搬送装置部品が25~30%、ユニットバス部品が25%、繊維機械部品、間仕切り、パーテーション部品がそれぞれ20%で、主要得意先4社で80~90%を占めるようになっている。最近は搬送関係が好調なこともあって、積極的な営業開拓を行っており、月の売上規模は前期比で20%増の2億円を超えるようになっている。

こうした業績を可能にしてきたのが、積極的な設備投資により強化された「工場力」。現在では工場の敷地面積が約6,880坪となっており、工業団地内には本社工場と第2工場が並び建っている。

設備はブランク工程にファイバーレーザ複合マシンACIES-AJ/AJeが3台 ― うち2台は自動倉庫MARS(9列10段、6列12段)付き、1台は10段2連の棚付き。また、パンチングマシンEMZは5列12段、ファイバーレーザマシンENSIS-AJは6列10段といずれも自動倉庫付き。平板・パイプ兼用レーザマシンは7段の棚付きというようにすべてのマシンが24時間稼働できるライン仕様になっている。

曲げ程には2台のベンディングロボットシステムをはじめ、15台以上のベンディングマシンが稼働している。加えて、小型のベンディングロボット2台を増設する計画もある。

  • 画像:アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展ハンディファイバーレーザ溶接機2台のパーテーションルームはグループ会社のエリオ総建が製作した
  • 画像:アウトソーサーとして、ものづくり力を強化して成長・発展FLW-1500MTによるレーザ溶接作業を行う女性作業者

会社情報

会社名
株式会社 エリオ
代表取締役社長
佐野 晃一
所在地
石川県加賀市宇谷町ヤ1-46
電話
0761-76-2700
設立
1988年
従業員数
86名
主要事業
間仕切り・ユニットバス部材・コンベア・搬送装置部品・その他一般機械部品などの鉄・アルミニウム・ステンレス板等の建築金物・一般板金加工
URL
https://www.erio.co.jp/

つづきは本誌2025年12月号でご購読下さい。

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