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デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦

最新設備を先行導入して得意先からの信頼を獲得

有限会社 遠藤産業

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画像:デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦ティーチングペンダントを操作してファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSISのティーチングを行う女性社員

自家消費型太陽光発電システムを設置

画像:デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦遠藤宣英専務(左)と遠藤弘樹社長(右)

㈲遠藤産業は今年、2018年に建設した新工場(敷地4,860㎡、工場建屋1,380㎡)の屋根に165kWの自家消費型の太陽光発電システムを設置した。工場で使用する電力の約40%をまかなうとともに、休日は余剰電力を四国電力に売電する。カーボンニュートラルや、SDGs(持続可能な開発目標)に対応して「SDGs宣言」を行うことも検討している。

同社のように地域経済を支える中小企業の経営環境は、コロナ禍や原油・原材料価格の高騰などの影響できびしい状況が続いている。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)、環境問題への対応も喫緊の課題となっている。

工具商からスタート

同社はもともと機械工具商店に勤めていた遠藤和則会長が独立し、工具屋として創業した。しかし、市場は狭く、以前の勤め先の商圏ともバッティングしてしまうなどの課題があった。そんなときに製造業界の先輩や友人たちの応援を得て、板金加工を始めた。当初は抜き・曲げは知り合いに助けてもらい、同社で溶接してから納品していた。徐々に設備を増やし、1989年に㈲遠藤産業として設立した。

画像:デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦左:本社工場の屋根には今年、165kWの自家消費型の太陽光発電システムが設置された/右:2018年に導入したファイバーレーザマシンLCG-3015AJ(6kW)+LST-3015G

兄弟が二人三脚で企業を支える

2019年に2代目となった遠藤弘樹社長は経理専門学校を卒業後、広島の会社に就職して営業経験を積んだ。そして、25年ほど前に同社へ入社。現場経験を経て20年ほど前に職業訓練法人アマダスクール主催の経営後継者育成講座(JMC)で財務会計など一般的な経営学を学び、会長の下で営業を担当した。兄の遠藤宣英専務が製造を担当し、会長からは兄弟で会社を盛り立てるように、と指導を受けてきた。

15年前に先代社長(現会長)が突然倒れたときには、社長の肩書きはそのままにして社業は子息2人が行った。常務だった遠藤社長は営業と経理を、兄の遠藤専務は製造部門を担当し、二人三脚で励んできた。

「後継者は兄だと、ずっと思ってきました。しかし、10年ほど前から会長に『営業経験があり、財務・経理にも明るいお前が社長になれ』と言われました。兄を差し置いて自分が社長になるとは考えもしませんでしたが、2018年に現在地へと工場を移転した際に、兄から『会社が発展するためにはお前が社長になれ。俺は製造現場をまとめて全面協力する』と言われました」。

「私は当時、従来の本社工場(徳島県阿南市)が手狭になり、お客さまの満足度を向上するためには主力設備を更新し、マシンを増設することも視野に、もっと広い工場へ移転する必要性を強く感じていました。その夢を実現させるために兄が力を貸してくれることを知り、覚悟を決めて、新工場移転が完了した2019年に2代目社長に就任しました」(遠藤社長)。

  • 画像:デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦ベンディングマシンEG-6013による曲げ加工
  • 画像:デジタル化・グリーン化に果敢に挑戦ファイバーレーザ溶接で接合した製品

会社情報

会社名
有限会社 遠藤産業
代表取締役
遠藤 弘樹
所在地
徳島県阿南市那賀川町上福井南川渕70-1
電話
0884-28-6655
設立
1989年(1976年創業)
従業員数
21名
主要事業
レーザ加工を主体とした多品種少量の金属板金加工、アルミ・ステンレス・鉄から真鍮・銅などの特殊金属加工、機械加工、樹脂加工
URL
https://www.endohsangyoh.co.jp/

つづきは本誌2022年11月号でご購読下さい。

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