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事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる

アフターコロナを見据え、生産能力を増強

株式会社 大可賀造機/株式会社 ジェー・エス・ティ

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画像:事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる今年4月に事業再構築補助金を活用して導入したACIES-2512B-AJ+ASR-2512 NTK(手前)と2014年に導入したACIES-2512B+ASR-2512NTK(左奥)

機械加工からプレス、板金へと業態を変化

画像:事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる和氣成暢社長

㈱大可賀造機和氣成暢社長の祖父が1962年に松山市内で個人創業。市内の合成繊維機械メーカーや工作機械メーカー、産業機械メーカーから機械加工部品の仕事を受注するようになった。その後は機械加工からプレス加工、板金加工へと業態を変化させてきた。

1982年には有限会社として法人化。1987年に現在地に南吉田工場を完成。1989年には営業や調達などを行う㈱ジェー・エス・ティを設立した。2002年には大可賀造機を株式改組。2004年には南吉田工場を増設し、本社工場とした。創業以来、顧客満足度の向上と、社員とその家族、地域社会への貢献を経営理念に掲げて発展してきた。

画像:事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる左:工場屋根に設置した自家消費型の太陽光発電システム(200kW)/右:HG-1303(追従装置付き)などのベンディングマシンが並ぶ曲げ工程

合成繊維機械トップメーカーの板金サプライヤー

合成繊維機械を主力事業としてきた得意先は2002年4月、日本を代表する合成繊維機械メーカー2社とともに新会社を設立。世界市場に展開する合成繊維機械のリーディングカンパニーを目指すようになった。得意先の松山工場は新会社の松山工場となり、合成繊維機械の主力工場となった。それとともに新会社発足時のコア企業2社の既存のサプライヤーも松山工場の仕事を受注するようになり、同社の仕事量は一時的に減少した。しかし、松山工場以外に滋賀県内の工場からの仕事が増えたことで仕事量が徐々に増えていった。

合成繊維は石油を原料としてつくられるポリエステルやナイロンが主な材料だ。衣料用の糸が主流だが、産業資材の糸の活用が増えているようで車1台には約30㎏の合成繊維糸が使われている。用途はカーシート、シートベルト、エアバッグやラジアルタイヤの強化糸としても使われている。ほかには釣り糸、網、ロープや建設土木用のジオテキスタイルなどに使われており、その需要は世界的に拡大している。

同社への発注量も年々増加しており、現在では売上全体の60%を合成繊維機械関連の仕事が占めるまでになった。このほかに食品機械、介護機器関連の企業からそれぞれ15%程度の仕事を受注しており、メインの5~6社からの売上が全体の90%を占めている。

合成繊維機械関連で使用される部材の多くはSUS430の板厚1.0~1.5㎜で、同社が月間に使用する材料の60%弱。SUS304を含めると80%あまりがステンレス材となっている。そのほかには鉄・アルミを使用している。板厚はステンレスは3.0㎜以下が多く、全体としても3.2㎜以下の薄板が大半を占めている。

  • 画像:事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる2015年に導入したファイバーレーザ溶接システムFLW-4000。数量の多い製品は1回の段取りで多数個を同時に溶接できるよう治具を製作し、作業を行う
  • 画像:事業承継を盤石にするため、不断の努力を重ねる溶接作業が終了した製品

会社情報

会社名
株式会社 大可賀造機
株式会社 ジェー・エス・ティ
代表取締役
和氣 成暢
所在地
愛媛県松山市南吉田町2798-64
電話
089-974-3333
設立
1982年(1962年創業)
従業員数
24名
主要事業
レーザ加工、精密板金加工、パイプ加工、各種溶接、焼付塗装、組立、試作加工
URL
http://www.j-s-t.co.jp/

つづきは本誌2022年11月号でご購読下さい。

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