技能検定制度を生かしたエキスパート人材育成の取り組み
「できる できる 必ずできる」の精神で顧客のニーズに応える
社員の半数以上が技能検定合格者
株式会社 大栄製作所
「大型、単品加工」も短納期で対応
㈱大栄製作所は創業者・吉岡忠嗣氏(「吉」は土のしたに口。以降同様)によって1968年7月に「できる できる 必ずできる」の精神を柱に誕生した。日本電池(現・㈱ジーエス・ユアサコーポレーション(以下、GSユアサ))の協力工場として創業以来、フォークリフトに搭載されるバッテリーケースなど、産業用板金製品、各種精密板金ケースを主体としたものづくりを続けてきた。
同社の特長は「大型、単品加工」に短納期で対応すること。40年前に自社開発した生産管理システムを活用して製品図面からの展開、加工、溶接、組立、梱包、発送までを一貫して迅速に行う力を付けてきた。
1982年に生産管理システムを導入
創業者の吉岡氏は、早くからコンピュータを活用したものづくりに取り組み、板金加工には欠かせない展開図作成からパンチング加工、レーザ加工用のNCデータを作成する自動プログラミングシステムの開発に取り組んだ。1982年には独自でコンピュータ活用によるトータル生産管理システムを確立した。
うした実績が高く評価され、1984年には京都府知事から「中小企業モデル工場」としての指定を受けた。この制度は、経営向上や技術改善に努めている中小企業を「優良モデル工場」として指定する取り組みで、同社は1984年以来、3回も指定を受けた実績を持っている。
1986年にはNCタレットパンチプレスの光ファイバーケーブルによるプログラムオンライン運転(DNC)を開始するとともに、パンチプレス用CAMシステム「タレパン君」を開発し、販売を開始。1987年にはパンチプレス用展開CAD/CAMシステム「展開君」を開発・販売開始した。
その後、ソフト事業の成長を予感して別会社として分離、ものづくり企業として金属加工の総合メーカーを目指すようになっていった。その一環として、1991年には京都府与謝郡与謝野町に量産加工を主とする「加悦工場」を開業した。
また、2003年には中国へ生産シフトする日系企業の現地対応をするために上海に「忠嗣金属制作(上海)有限公司」を設立。一時期は90人あまりの従業員を雇用して、ローカルの仕事を受注していった。
他社の追随を許さないTOP企業を目指す
そして同社は、培ってきた技術力をいっそう錬磨し、他社の追随を許さないTOP企業を目指していった。優れた品質、高い生産性、顧客のきびしい要求に応えられる納期即応性を構築し、あらゆる顧客ニーズに対応していった。
吉岡忠嗣氏は、京都府シートメタル工業会の初代会長を1995年から10年にわたって務め、業界の発展に多大の貢献をしてきた。ソフト事業も、いわば板金業界の発展という目標で取り組んできた経緯もあり、公私を問わず板金業界の発展と振興に努力してきた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 大栄製作所
- 代表取締役社長
- 吉岡 恵
- 所在地
- 京都府京都市南区上鳥羽大物町26
- 電話
- 075-672-2381
- 設立
- 1968年
- 従業員数
- 62名(グループ全体126名)
- 主要製品
- LCD製造装置関係・電気車用バッテリーケース・配電盤などの精密板金に関わる品目
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