ゆるやかな回復が続く工作機械業界
探すムダ・運ぶムダを排除する
ACIES-AJ導入にはじまり、モノづくり改革に取り組む
フォーミックス 株式会社
大型マシニングセンタのパレットチェンジャー用のカバー
住宅事業70%、機械カバー事業30%
取締役社長の服部隆司氏
フォーミックス㈱は1987年、豊田工機㈱(現:㈱ジェイテクト)の工作機械事業の板金部門が分離独立して設立された。その後、トヨタホームが設計・施工する注文住宅のうち、西日本地区で施工される住宅のバルコニーの生産を担当するようになった。
住宅事業は拡大し、売上の70%を占めるようになり、ジェイテクトで製造する専用機・円筒研削盤・マシニングセンタといった工作機械のスプラッシュガードなどの機械カバー事業は30%となっている。2016年度売上高は21億円。ここ数年は20億円台を維持し、そのうち工作機械関連は6億円前後で、ここ数年は横ばいとなっている。
ジェイテクトグループの一員
ジェイテクトグループの中で同社の売上高は大きくはないが、2005年に豊田工機㈱と光洋精工㈱が合併してジェイテクトが誕生するまでは、工作機械事業の板金部門として、自動車のエンジンおよび足まわりの主要部品や電子部品などの高精度・超精密加工を行う専用機・マシニングセンタ・研削盤の製造の一翼を担ってきた。その位置づけは現在も、そしてこれからも変わらない。
ジェイテクトグループの工作機械事業 ― 「TOYODA」ブランドを支える重要な仕事という意識を持ち、「品質第一に徹し、お客様の信頼と満足を得る商品を提供し、会社経営に寄与する」という品質方針に基づいた生産活動に全社一丸となって取り組んでいる。
2017年8月に導入したACIES-2515T-AJ+AS-3015NTK+ULS-3015NTK
HDS-8025NT(奥)などによる曲げ加工品(手前)
一部機種はジェイテクト・刈谷工場内で塗装・組立
同社が製造する機械カバー・スプラッシュガードは、機種でみると専用機・円筒研削盤・横形マシニングセンタに大別される。その中で、専用機・円筒研削盤に関しては、同社工場で加工から溶接仕上げ、塗装、組立まで一貫して行う。マシニングセンタは、ジェイテクトの工作機械・メカトロ事業本部がある刈谷工場に作業者を派遣、塗装・組立を行い、刈谷工場の組立ラインに直結した仕事を行っている。
服部隆司社長は、同社の役割とグループ企業としての業務分掌について、次のように語っている。
「2014年に刈谷工場の塗装ラインを更新する際に、従来の粉体塗装ラインの一部を当社へ移設していただき、専用機・円筒研削盤のカバーは社内で一貫生産できるようになりました。しかし、マシニングセンタとなると、パレットチェンジャーやATCなどを含めると5´×10´材から切り出して加工したカバーを接合しなければならないので、刈谷工場の塗装ラインを使用します」。
「組み上がったカバーをクレーンで吊り上げ、刈谷工場の組立ラインで組み上げるにしても、刈谷工場内で塗装・組立を行った方が横持ちが少なくてすみます。当社で仮組みし、検収が終わったカバーを刈谷工場へ輸送するとなれば、大型トレーラーでないと運べませんし、ムダな手間や工数がかかります。それなら当社から作業者を派遣し、刈谷工場の設備や工場をお借りして塗装・組立を行った方がメリットがあると判断しました」。
ジェイテクト・刈谷工場から移設された粉体塗装設備
塗装が終了した工作機械カバーが組み付けを待つ
会社情報
- 会社名
- フォーミックス 株式会社
- 代表取締役
- 服部 隆司
- 住所
- 愛知県刈谷市野田町北地蔵山1-15
- 電話
- 0566-21-8375
- 設立
- 1987年
- 従業員数
- 78名
- 主要事業
- 工作機械カバーの製造、バルコニーなどの住宅部材の製造
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