変種変量生産に対応する曲げの自動化
ベンディングロボットシステムHG-1003ARsの効果を評価
小ロットや特急・割り込みの1個流し加工に対応
株式会社 ワールド山内
7軸多関節ロボット1台で、材料搬入・マテハン・製品搬出を行う
1個流し加工に対応するベンディングロボット
㈱ワールド山内では、以前から曲げ加工の自動化を検討してきた。しかし、これまでのベンディングロボットでは、ロットサイズの問題、新規品とリピート品への対応、さらにはマシンとロボットを制御するソフトが“オールインワン”で対応していないなど、導入メリットを見出せなかった。ところが、ベンディングロボットに対するこうした不安は、2014年11月に発表されたベンディングロボットシステムHG-1003ARsを見て払拭されたという。
2016年4月に2代目社長に就任した山内雄矢社長は「HG-1003ARsは様々な形状の変種変量生産に対応し、自動段取りによる作業時間の短縮、複雑な曲げ加工製品の加工範囲拡大を実現するなど、1個流し加工に対応できるベンディングロボットでした」と語る。
山内雄矢社長。うしろの絵画は同社をイメージした作品
2015年12月に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2515B-AJ
オフラインプログラムを実現
HG-1003ARsは、同社が2013年12月に導入した新ハイブリッドドライブシステムを採用したHGシリーズのベンディングマシン本体に加え、金型のステップベンドレイアウトに対応する自動金型交換装置(ATC)を搭載した、ハイエンドなベンディングロボットシステムだ。
HG-ARsのロボットは作業者の動作に近い7軸多関節ロボット(6軸+走行軸)で、材料搬入・マテハン・製品搬出を1台で行う。これにより、複雑化する板金形状の曲げ加工の段取りレスや長時間稼働を実現している。
山内社長はHG-1003ARsを次のように評価している。
「従来のベンディングマシン(ASTRO)では、加工用と材料搬入出用のロボット2台と、動作プログラム、そしてそれぞれを制御するNCが必要でした。しかしHG-1003ARsは、ロボットとNCを1台で制御でき、“オールインワン”に統合されているため、マシン本体・ロボット・周辺装置のプログラムをシミュレーションで確認しながら簡単に作成できるようになりました。ティーチングレスによるオフラインでのプログラム作成も可能になりました。また、HG-1003ARsのNC装置には最新のAMNC 3iを搭載しており、システムの一元管理を実現。マルチタッチ式LCDパネルを採用しているため、スマートフォンのような直感的な画面操作が可能となったことも魅力のひとつでした」。
左:「Smooth Monitor」で機械加工工場の設備稼働状況をリアルタイムにモニタリングする/右:18台のネットワークカメラからの情報は、スマートフォンなどでいつでも確認できる
会社情報
- 会社名
- 株式会社 ワールド山内
- 代表取締役
- 山内 雄矢
- 住所
- 北海道北広島市大曲工業団地4-3-33
- 電話
- 011-377-5766
- 設立
- 1983年
- 従業員数
- 110名
- 事業内容
- ステンレス製品の高度技術加工、非鉄金属加工、金属加工、レーザ加工、機械加工、切削加工、各種製品の溶接・組立、表面処理、塗装
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