設計・加工・塗装・組立までのワンストップ対応が強み
「板金事業」と「エコ事業」の2事業体制―「将来はメーカーになる」
エヌアイエ 株式会社
①パンチ・レーザマシン複合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1/②LC-2012C1NTで加工する製品にはレーザマーキングで製番を印字している
「板金事業」と「エコ事業」の2事業体制
仁尾明良社長
エヌアイエ㈱は1990年、先代の仁尾(にお)太一氏が三重県伊賀市で創業した。同社は「板金事業」と「エコ事業」の2事業体制で、敷地面積7,200㎡の広大な敷地を活かした大物製品のモノづくりを手がけている。
板金事業部は、設計・加工・塗装・組立までに対応しており、大型の防音カバーや空調機器関連の盤筺体、装置関連の仕事などがメイン。エコ事業部は2000年、板金事業以外にもう1つの事業の柱をつくることを目的に立ち上げた。事業モデルとしては、回収した廃蛍光灯をガラス・金属・水銀にそれぞれ分別し、リサイクル業者に売却している。
同社はこれまで、設備投資についても意欲的に推進してきた。2005年には、競合他社との差別化のため、大型製品向けパネルの曲げ加工が可能なパネルベンダーTBZ-2523Hを導入、リーマンショックが発生した2008年には、パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1とベンディングマシンHDS-8025NT+Bi-Jを導入するなど、差別化戦略を貫いてきた。
2代目経営者の仁尾明良社長も、同社で培われてきた精神を受け継ぎ、積極的な設備投資をはじめ、新たなビジネスモデルの創造や事業拡大など、中長期的な視点から様々な取り組みを行っている。
2015年7月に導入したベンディングマシンHG-8025
パネルベンダーTBZ-2523H。導入して13年経つが現役で活躍している
「企業には適切な変化が求められる」
リーマンショック以降、同社は右肩上がりで成長を続けており、2015年の板金事業の売上高は2億7,000万円となった。得意先数は板金事業で約20社、主要な得意先は5社。エコ事業も含めると得意先は100社を超える。
「当社はリーマンショックによる影響が比較的小さく、急激な落ち込みはありませんでした。そのため、現在の売上高はリーマンショック前に戻ったのではなく、リーマンショック前より伸びた数字になります。既存のお客さまへの提案や新規開拓などを積極的に行い、変化に対応してきたからこそ、いまの当社があると考えています」。
「しかし近年、技術革新や加工技術の陳腐化など、ものごとが変わるスピードは予想以上に早いため、企業には適切な変化が求められていると感じています。当社に置き換えた場合、エコ事業がそれに該当します。蛍光灯業界は、生産量の減少や水銀の使用禁止、LED照明の台頭が顕著で、従来に比べ市場環境が変化しました。16年以上手がけていますが、当社のエコ事業のビジネスモデルも限界を迎えています。いまのモデルが通用するのは長く見ても、あと5年ほどでしょう。2020年を目処に、エコ事業に代わる新規事業の検討と、リ・エンジニアリング(事業転換)を検討しています」と仁尾社長は語る。
左:溶接作業/右:同社が製作した空調機器関連の筺体
会社情報
- 会社名
- エヌアイエ 株式会社
- 代表取締役
- 仁尾(にお) 明良
- 住所
- 三重県伊賀市大野木字喜撰戸2178-1
- 電話
- 0595-20-1624
- 設立
- 1990年
- 従業員数
- 25名
- 主要事業
- 金属加工・板金加工・溶接、廃蛍光管処理プラント製造販売、廃蛍光管産業廃棄物中間処理、産業廃棄物収集運搬
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