特集

モノづくりは楽しい ― 第28回優秀板金製品技能フェア受賞製品

「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」

「自分に妥協しないモノづくり」は楽しい

岡住工業 株式会社

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画像:「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」(SUS304 2B・板厚1.0㎜)。質感を持たせるため、旋盤加工をせず丸鋼を手作業で仕上げている

システム&エレクトロニクスの岡住工業

画像:「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」岡住奏社長

岡住工業㈱は、福岡県北九州市に本社を置く産業用ロボット等メカトロニクス製品の製造を行う㈱安川電機(旧・安川電機製作所)向けの売上が 約80%を占めている。安川電機との取引では「モーションコントロール」「ロボット」「システムエンジニアリング」の各部門のシステム&エレクトロニクス事業に対応。2015年6月には安川電機行橋事業所にあった板金製造の子会社、安川テクノプレートの事業を継承、安川電機のパートナー企業として活躍している。岡住奏社長は現在、安川電機の協力会社22社で組織する協同組合安協会の理事長も務めている。

さらに長年取引しているのが三菱マテリアル㈱で、セメント工場の製造ラインを制御する電気設備一式を同社が請け負っている。

「セメント工場は定期的に設備メンテを行うため、工場の全ラインを止めて2~4日ほどでメンテ工事を行います。その時は工場に当社を含めた1,000名近い関係者が参加してメンテ工事を行いますが、電気は機械設備が完了してからの作業になるため、2昼夜徹夜での作業になる場合もあります」(岡住社長)。

  • 画像:「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」「東京スカイツリー」の製作メンバー。右から山崎稔己主任、田中明男課長、椎葉宗弘さん
  • 画像:「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」福岡県北九州市にある岡住工業㈱

真の技術が評価される時代

「当社は創立以来、各種産業用プラントシステムの自動化を推進する企業として65年にわたる実績を築いてまいりました。『最新の技術で、お客さまにご満足頂ける製品を短期間でお届けする』を経営理念に、常に次世代を志向した技術の研究と開発を考え、未開の領域に挑戦し社員一同、尚一層の努力を傾注しています」と岡住社長は語る。

本社には総務部・営業本部と、2015年11月に吸収合併した関連会社、春日工作所の製造部門である「八幡製盤工場」がある。その他に福岡県行橋市に「行橋第一工場」(管理本部・技術本部・生産本部)、「行橋第二工場」と、昨年6月に事業継承した旧・安川テクノプレートの工場があり、製造工場は4工場となっている。

「昨年11月に吸収した春日工作所は1970年に分社した会社で、東芝北九州工場から半導体の製造に必要な搬送装置 ― ハンドラーの設計・製造を担当していました。ところが東芝が2011年に北九州工場の閉鎖を発表。その後は仕事が減り、一時期は年商30億円ほどあった売上も激減し、厳しい状況になりました。自助努力もかなわず単独での事業再建は困難と判断、昨年11月に岡住工業が吸収合併しました。百数十名の社員のうち当社へ50名ほどが移籍し、それを除く全員が他の会社への転職が決まりました。当社は負の資産も背負いましたが、金融機関などのバックアップと安川電機様のご支援をいただくことで難局を乗り切れる見通しとなりました」。

画像:「造形品の部」で金賞を受賞した「東京スカイツリー」「東京スカイツリー」本体部の加工図(左)とアンテナ部の加工図(右)

会社情報

会社名
岡住工業 株式会社
代表取締役
岡住 奏
住所
福岡県北九州市八幡西区則松5-20-13
電話
093-601-5511
設立
1961年(創業1951年)
従業員数
400名
主要事業
電気機械器具、制御装置、電子制御設計、製造・販売、電気・機械設備設計、施工、電気・計装施工、一般電気工事業
URL
http://www.okazumi.co.jp/

つづきは本誌2016年5月号でご購読下さい。

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