特集

安全・安心に対応する食品機械と板金加工

計量・包装システムのパイオニア

トータルソリューションプロバイダーを目指す

株式会社 イシダ

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画像:計量・包装システムのパイオニア①高速・高精度コンピュータスケール「CCW-R-218WB」/②コンピュータスケールに使用する板金部品「ホッパー」

国内最古参の計量機器メーカー

画像:計量・包装システムのパイオニア2015年3月から操業を開始した滋賀事業所の新工場棟(A棟)

「はかりのイシダ」として知られる㈱イシダは、明治26年(1893年)に日本初の民間はかりメーカーとして創業して以来、123年の歴史をほこる国内最古参の計量機器メーカーである。

1993年に100周年を迎え、現社名に変更するまでは「石田衡器(こうき)製作所」として親しまれてきた。その名のとおり、同社は「衡器」(重量をはかる器具、はかり)の開発・製造・販売からスタートして以来、食の分野を中心に、業務用計量機器分野のパイオニアとして発展してきた。

1960年代にはメカ式はかりから電子式はかりにシフト。店頭での量り売りだけでなく、現在のスーパーマーケットなどでみられるように、店頭に並べる前に計量・包装・表示まで行うビジネスモデルを確立した。さらに“はかり”から“計量システム”へ―重さを売上情報に換算する経営情報センサーへと進化。1972年には独自の「組み合わせ計量」技術を駆使し、様々な重さ・形状のものを連続で大量に定量計量する「コンピュータスケール」を開発、多岐にわたる用途へと拡大した。現在では“はかる”“包む”“検査する”“表示する”の4つの要素をコアコンピタンスとし、食品分野のほか、工業分野、医療分野などへ事業を展開し、2000年以降も売上高も右肩上がりで成長してきた。2015年3月期の連結売上高は981.2億円、単体での売上高は674.52億円で、2016年3月期は連結1,000億、単体700億円の売上高を見込む。英国・中国・韓国・ブラジルに生産拠点をもつほか、世界100カ国に販売・サービス網を構築、海外売上高比率は約40%を確保し、海外ビジネスを積極的に展開している。

2015年3月から新工場棟が操業を開始し、同年9月にグランドオープンした滋賀事業所で、食品分野を中心に同社のモノづくり体制について話を聞いた。

画像:計量・包装システムのパイオニア包装機器に使用する複雑形状の板金部品―包装袋となるフィルムを筒状に成形する「フォーマー」の3次元モデルと製品

トータルソリューションプロバイダーを目指す

開発・技術部門の立岡(たつおか)正彦執行役員は「国内総人口が減少し、日本国内の食品機械市場は中長期的に縮小するとの見方もありますが、当社としては引き続き成長していく考えです。当社のコアコンピタンスである“はかる”“包む”“検査する”“表示する”という4つの要素を中心に、バリューチェーンの前後に事業領域を広げていこうとしています。そうすることで競争力と付加価値を高め、売上・利益ともに伸ばしていきたい」と語っている。

生産統括部門の野田幸平執行役員は「機器単体だけではビジネスが成立しにくくなっていきます。その一方で人手不足は、自動化に対する新たなニーズを生み出していま
す。そのため当社は、食品生産プロセス全体のシステムインテグレーション―食材の供給から加工・計量・包装・検査・出荷までの全工程について、個別の機器とそれらを統合するシステム構築まで手がけるトータルソリューションプロバイダーを目指しています」と語っている。

食品加工生産ラインでは全体の集中管理やトレーサビリティ確保に対する意識がますます高まっている。そうした現場では、中央のコントロール下に、イシダブランドの製品を含む様々な機器がつながり、集中的に管理される。

「その意味では、今話題のIoTを活用したプロセス管理の取り組みを、以前から続けてきました。今後も、社会やお客さまの課題解決に向けて完成度を高めていく必要があります」(立岡執行役員)。

画像:計量・包装システムのパイオニア左:HDS-8025NTをはじめベンディングマシンが並ぶ/右:フォーマーの製作にはYLR-1500によるYAGレーザ溶接を使う

会社情報

会社名
株式会社 イシダ
代表取締役社長
石田 隆英
本社
京都府京都市左京区聖護院山王町44
滋賀事業所
滋賀県栗東市下鈎959-1
電話
075-771-4141(本社代表)
創業
1893年
従業員数
3,205名(グループ従業員)
事業内容
計量機器・包装機器・検査機器・ラベラーなどの開発・製造・販売
URL
http://www.ishida.co.jp/

つづきは本誌2016年3月号でご購読下さい。

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