台湾板金業界―多品種少量生産の自動化対応が課題
カーテンウォールの製造では台湾トップ企業
施工に必要な金物類を最新のマシンで板金加工
壹東實業 股份有限公司
今年導入したパンチングマシンEMZ-3612MⅡ(サイクルローダー棚付き)。台湾では初めての導入となる
建材事業を中心に発展
陳家豐協理(右)と游志称服工場長(左)
陳宗仁董事長は1976年に建材関連の販売会社を設立。1979年からカラー鋼板の設計・加工ができる設備を日本から輸入し、鋼材販売に参入。その後はSECC、ステンレス、アルミを材料に、建物の壁を構成するカーテンウォールの設計・製造・販売を行うようになり、業績を拡大していく。現在は資本金10億台湾ドル(38億円)、従業員数200名の規模になった。工場は高雄市内に2カ所―小港区の第2工場(小港工場)と林園区の第1工場(林園工場)がある。
主な事業は、建築で使われるカーテンウォール(建築構造上取り外し可能で、間仕切り壁と同様の非耐力壁)を製造する事業部、太陽光発電事業部、加工前の鋼板を塗装してカラー鋼板を製造する事業部の3部門。創業以来の事業として取り組んできたのがカーテンウォールを中心とする建材事業である。
メガソーラー発電所を備えた工場
1988年に林園区に第1工場を建設。同工場は敷地面積が4万5,000坪と広大なことから、土地の有効利用の一環として工場棟建設と並行し、太陽光発電所の開設を計画した。
2004年に小港区の土地9,800坪に建築面積5,700坪の第2工場を建設し、2008年にまず小港工場の建屋の屋根に208kWp※(一戸建ての家屋の電力使用量換算で約50戸分)の太陽光発電所を開設した。発電した電力は自社設備の電力として活用するほか、余剰電力は売電するようにした。
2009年には小港工場と林園工場で合わせて1,294.42kWpの本格的な太陽光発電所を開設した。さらに、2011年には林園工場に10.25MWの太陽光発電設備を増設。2012年には屏東県新埤工場を開設して、2MWの発電能力を備えた太陽光発電所を設置した。2013年には第2期計画で1.8MWの発電能力を備えた設備を増強した。最終的に新埤工場には3.8MWの発電能力を備えた太陽光発電所が完成した。
太陽光発電所の設置、運用ビジネスは太陽光発電事業部が担当し、太陽光発電所に欠かせないパネルを固定する架台製作は小港工場が担当している。
※kWp(キロワットピーク)。自然エネルギー発電の発電設備容量として欧州で採用されている単位。
溶接工法から曲げ工法へと工法置換したVA/VE提案例。ワークはFO-MⅡでレーザ加工を行っている
パイプインデックス用CAM Dr.ABE_Tubeで作成した加工データ。このデータを使い、FO-MⅡ RIでパイプ・形鋼の加工を行っている
嵌め合い構造にしたことで組立作業が簡素化されている
会社情報
- 会社名
- 壹東實業股份有限公司
- 董事長
- 陳宗仁
- 小港工場協理
- 陳家豐
- 本社住所
- 台湾・高雄市鼓山区鼓山二路272之1號
- 小港工場
- 台湾・高雄市小港区大業南路18號
- 電話
- +886-7-871-9161(小港工場)
- 設立
- 1976年
- 従業員数
- 200名
- 主要事業
- 壁材、サッシ、パネル、ソーラパネルの架台
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